崩落へ。

大和星歌

プロローグ いつか、鳥の飛び立つ夕日の元で

全てが終わった。

夕日の元、一人で私は立っている。

 

ここはかつて彼女たちと共に学んだ場所。あの人との思い出の高台。全てが始まった場所でもある。

 

終わりは始まりとよく言うが、全てが消えそうなこの世界は今から始まるのだろうか?それとも消え去るのだろうか?

そんなことを考えていたら鳥が集まってきた。彩り様々な鳥たちだ。かつての彼女たちに似ているかもしれない。

青い髪の少女、かつての先生とその先輩。いつまでも若かった学校の校長先生、いつも空を見て夢を語っていた白髪の少女、そして...私とずっと一緒だった二人。それ以外にもたくさんの仲間たちと出会った。

 

「あっ..」

 

鳥が羽ばたく。

鳥が太陽に向かって飛んでゆく。


風は花を揺らして、雲は黙々と恵みを与える準備をしている。

この世界は消えつつある。かつての敵と戦った場所も、彼女たちの思い出の場所も。

けど、私はすべてを覚えてる。彼女たちの勇姿も、楽しく話していた記憶も、あの時恥ずかしそうに語っていた先生の恋愛話も。

私は前を向く。けど、その前に。

彼女たちの物語を、思い出そうと思う。


これは私たちの物語。鳥として飛んでゆく前の、風に乗って美しい世界へと行く前の、美しい物語だ。

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