宅田汰久2025年3月
宅田汰久
2025年3月28日金曜日、ミャンマーで地震
2025年3月28日金曜日、ミャンマーで地震
2025年3月28日金曜日、ミャンマーで地震
【詳しく】ミャンマー大地震 被害の特徴は 遠方被害はなぜ
2025年3月29日 19時14分
28日、ミャンマーで大地震があり、隣のタイなどでも大きな被害が出ています。地震や被害の特徴について、気象庁や専門家への取材でこれまでに分かっていることをまとめました。
能登半島地震と同程度の規模
Q.震源や規模は?
A.地震が起きたのは、日本時間の28日、午後3時20分ごろでした。
震源地はミャンマー中部で、第2の都市マンダレーの近くです。
震源の深さは10キロで、地震の規模を示すマグニチュードは7.7と推定されています。
内陸の地震だったため、この地震による津波はありませんでした。
Q.地震の特徴は?
A.今回の地震は、地盤が水平方向にずれ動いたことで起きたということです。
「横ずれ断層」と呼ばれ、2016年の熊本地震もこのタイプの地震でした。
地震の規模は、去年1月にマニチュード7.6を観測した能登半島地震と同じ程度とみられています。
Q.ミャンマーでは過去にも地震はあったのか?
A.ミャンマーでは2012年11月にマグニチュード6クラスの地震が起きているほか、ミャンマーから中国にかけては、過去にもマグニチュード7クラスの地震が起きています。
ぜい弱な構造で被害拡大か
Q.マンダレーでは、1階部分がつぶれたり原形をとどめないほど激しく倒壊したりしている建物もある。被害の特徴は?
A.建築構造が専門で東京科学大学の和田章 名誉教授は、1階部分がつぶれている建物について、壁が少なかったりガラス張りだったりと、激しい揺れに対してぜい弱な構造になっていたことで被害の拡大につながった可能性があると指摘しています。
また、原形をとどめないほど倒壊している建物については、構造設計が不十分で耐震性を考慮していない可能性があるということです。
長周期地震動で遠方でも被害か
Q.タイのバンコクでも高層のビルが倒壊したり大きく揺れたりする被害が出たが、今回の地震がどう作用したのか?
A.複数の専門家や気象庁は「長周期地震動」の可能性を指摘しています。
「長周期地震動」は揺れが1往復するのにかかる時間が長く、大きな地震の時に発生します。
高層の建物は、この長い周期に揺れやすい性質があります。
Q.バンコクは、震源から遠く離れているが、それでも揺れが届いたのか?
A.「長周期地震動」は、震源から離れても揺れが衰えにくいのが特徴です。
2011年の東日本大震災では、震源が東北沖でしたが東京や横浜をはじめ、震源からおよそ770キロ離れた大阪でも超高層ビルが大きく揺れました。
バンコクは、今回の地震の震源から1000キロ以上離れていますが、「長周期地震動」が到達した可能性は十分あるということです。
軟弱地盤も影響か
また、地盤工学が専門の東京科学大学の田村修次 教授はバンコクの地盤も影響したと指摘しています。
田村教授によりますと、固い地盤では震源から遠くなるほど揺れが衰えていきますが、軟弱な地盤があると揺れは増幅され、層が厚いほど揺れの周期は長くなるということです。
バンコクは、軟弱地盤が厚く堆積しているため、増幅された長周期の地震波によって高層の建物だけが選択的に揺れた可能性があるとしています。
ビルの柱細く 長周期地震動の影響受けたか
Q.建設中の高層ビルが倒壊したのは、「長周期地震動」のほかに何か理由が考えられるのか?
A.東京科学大学の和田 名誉教授は、建物の構造が影響したのではないかと指摘しています。
今回倒壊したビルは、柱が一般的な日本の高層ビルと比べても半分程度かそれ以下の太さだということです。
和田 名誉教授は、細い柱は、「長周期地震動」と同調して曲がりやすい性質があるため、上層の重みを支えきれなくなった柱などから壊れ、一気に崩落したのではないかと分析しています。
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