第25話 弁当屋に通い詰めると、のり弁当に行き着くと思うようになった話

 のり弁。

 弁当を買い続ける人達は、いずれはこの弁当にたどり着く。ワシはそんな気がするんじゃ。


 ワシも若い頃はカツ丼や焼肉弁当、チキン南蛮弁当や唐揚げ弁当がほとんどじゃった。それ以外には季節の弁当等の期間限定を注文して、のり弁を頼む人達が理解できなかったんじゃよ。


 しかしワシも歳をとり、気がついてしまったんじゃ、のり弁の魅力にのう。


 のり弁の魅力、まず言うとすれば当然じゃが、値段、じゃな。大抵の弁当屋でのり弁は安い方に入る、あるいは一番安いかもしれん。定期的に食べるなら、やはり価格は大きいじゃろう。


 次に、入っている品数とワシは思っておる。例えばハンバーグ弁当ならメインは当然ハンバーグで、味もほとんどがハンバーグじゃ、カツ丼にしろカレーにしろ焼肉弁当にしろ、だいたい味は一つだけじゃな。


 しかしのり弁は違う、白身魚のフライに唐揚げ、ちくわにきんぴらと、メインと思うのは自分で決めれるんじゃよ。いつも同じ順番で食べてもいいし、あるいは日によって気分で変えてもいい。味が違うおかずを自由に食べる事ができるんじゃ。


 最後に、肉、魚、野菜。全て採れて栄養のバランスがいい、気がするんじゃよ。

 正直本当かどうかは知らん。調べれば簡単に分かると思うが、めんどい。しかしとりあえず全部食べたから大丈夫。そう自分を納得させる事ができるんじゃ、本当かどうかは別にして、本当に別にして。


 ……ぶっちゃけ、考えるのが面倒だからもうのり弁でいいや、そう思う人もいるじゃろう、こうやって無理やり理屈を作るワシとか。


 思いつきだけで書いたんじゃが、同意してくれる人はいるのじゃろうか?


 まあ、のり弁に不満がある人もおるじゃろうし、やっぱりワシだけかもしれん。

 しかしやはり歳をとったら、とりあえずのり弁、のり弁でいいや、こんな人がいるとも思うじゃし……。


 つまりワシはこれからものり弁を食べる、そういう事じゃな。

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