第2話 一度目の序章
「おーい、早く来いよーー」
「ちょっ、まっ、て、はやいってー」
息を切らす僕のことを振り返りもせずに君は走る。
彼の名前はラント・タルト、僕はレイト・バスク。僕らは今年で7年も一緒にいることになる。
「なんで、毎回、走るんだよ、」目的地に着いた僕は言う。
「なんか走りたくなるんだよねー」
「汗かいて走ってここで冷たい風浴びるのが清々しいというか、なんか気持ちよくてさ」
そんなことを言う君と夕日が重なって、色々と眩しい。でも僕もこの景色が好きだから着いてきたのだ。それはそうと僕はきく。
「明日の国家個人魔法調査が終わったらさ、ラントはこの村を出るの?」
「どうだろうねー。出なきゃいけないならそうするけど、強制されないならあと3年ぐらいここにいたいかな。」
「そっか!僕と同じだね!」 嬉しさが自分の声に現れる。君はニヤニヤしながら、
「なに?もしかして嬉しいの?」なんて言う。
「うるさいなー」もう何を言っても照れ隠しになる。
「なあ、もしもだけどさ。おれが村を出るならレイトはどうすんの?」君は言う。
「ついてくよ、どこまでも。君がもうついてくるなって言うまでは。」
「あはは、じゃあこれからも長い付き合いになるな。」少し嬉しそうな君が見えた。
暗くなってきたので僕らは帰ることにした。
次の日、僕らの村に国家個人情報調査のための人員が3人派遣された。
強そうとも弱そうとも感じなく、黒い服に身を包んでいること以外は普通の人だった。
調査の対象年齢である僕とラントはこの3人と今日一日中一緒にいるらしい。
「国家個人情報調査については知っているな?」黒服の1人が話し始める。
「勿論知っています。」僕らは答える。
「まあ、知っていても一応確認しなきゃいけないんだけどな。」とても面倒くさそうだ。
「まず、この調査の対象は17歳の子供だ。次に、調べる内容は魔力耐性、固有魔法、魔法適性について。そして天のお告げにより職業が決まる。」
「魔力耐性が何かわかるか?」
「はい。高ければ高いほど多量の魔力を体に保存できて、自分以外の魔力の影響を受けにくいんですよね?」ラントが自信満々に答える。
「そうだ。それじゃあ、固有魔法はわかるか?」ラントが僕の背中を叩く。
「ええっと、固有魔法とは、全ての生物に種族や遺伝子に関係なく、ランダムで与えられる魔法で、何千万もの種類が発見されています。」ドキドキしながら答える。
「よく知ってるな。流石に全部喋らすわけにもいかないから魔法適性と職業は俺が説明しよう。」ほっと胸を撫で下ろす。
「魔法適性は、ざっくりいうとどんな魔法を使えるかだ。援護系の白魔法、妨害系の黒魔法、攻撃系の壊魔法の内どれかに適性があり、その魔法が本人にとって1番効率が良く、効果も高く出せる。また、適性がない魔法は使うことができない。」
「そして、職業はこれまた何種類もあるから、後であげる本で勉強してくれ。ただ、お前らの職業についてはわかり次第すぐに説明する。質問はあるか?ないな。」
「よし、もう調査に入ろう!話ばっかりじゃつまらなさすぎる!!!」なんなんだこいつ。
そんな感じで調査が始まることになった。
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