第5話

日曜日の夜、香澄のストーリーが上がっていたためウキウキしながら見に行くと、そこには顔を隠した男女のツーショットが映っていた。


「あれ、、、?なんか見たことある、、?」


その違和感はすぐに判明することになる。


『お、晴香!おはよ。昨日はごめんな?これお詫びの品!』


恭介は私を見つけるなりそれを渡してきた。


それはある遊園地に入らないと買えないグッズだった。


しかも香澄が出かけていたあの遊園地の。


ここまでくれば察しの悪い私でも気が付く。


こいつは、私の予定を断って香澄とデートしていたのだ。


香澄からは誘われたって聞いたから、恭介から誘ったのだろう。




これ別れた方がいいやつだよね。


恭介と付き合ったのも私が一方的に好意をもってて、告白したから付き合ってくれたっぽいし。


気持ちに差があったのは気づいてはいた。


結局私の恋はただの自己満足だった。


どれだけこちらの気持ちがあったとしても、本物の恋心にはかなわない。


しかもここまでやられると、私が邪魔者になっていることは明白である。


恭介とどう付き合っていったらいいのかわからないし、繋ぎ留めておく理由が考えられない。


彼なら友達に戻ってくれるだろう。




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