第3話

やはり紹介するべきじゃなかったかぁ。


少し前に学校帰りに香澄にばったり会った日があった。


その時は友達に紹介するっていうのがなんだか恥ずかしくなってしまいただのクラスメイトとしか紹介していなかった。


まあ、たまたま他に友達いたし茶化されるのも嫌だったし、香澄も友達といたし。


だが、恭介はこの時香澄に一目ぼれしたようだった。


それを示すかのように、香澄と分かれても彼女が歩いて行った方を見つめていたし、話しかけても上の空だった。


しかも次の日に香澄のことについて聞いてきたのだ。


今考えれば明らかに気があることが分かるのだが、よくある「昨日の子ってどんな子なの?」みたいなやつだと思ってしまった私は彼女のことをべらべら話してしまった。


その時恭介はふーんそうなんだ、みたいな感じで、おいお前が聞いてきたんだろ?みたいな反応をしていた。


だから気にしていなかった。


だがある時、恭介の友達から他校の制服の女の子と歩いていたと告げ口された。


その時は困惑していたが、恭介に聞こうとは思わなかった。


その人の勘違いかもしれないし。


しかしその日に香澄から「この前晴香と一緒にいた男の子に生徒手帳拾ってもらったからお礼しておいて!」と言われたから勝手に納得してしまっていた。



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