タカシには、付き合って3年になる彼女・ミホがいる。

美人で優しくて、料理も上手。完璧な彼女だった。

だが、ひとつだけ気になることがある。

「絶対に帽子を取らない」

家でも、デートでも、お風呂上がりでも、24時間365日ずっと帽子をかぶっている。

タカシはずっと気になっていたが、なかなか聞けなかった。

しかし、ある日思い切って聞いてみた。

「なあ、なんでいつも帽子かぶってるの？」

するとミホは、一瞬黙ったあと、申し訳なさそうに言った。

「……実は、私……帽子が本体なの」

タカシ「え？」

次の瞬間、ミホの体がパタッと倒れ、帽子だけが残った。

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