ショートは似合わないと思ってた。

第1話

 「結構バッサリ切ってみたんだけど、どうかな?」


「……似合ってると思うよ」


 何その反応。コロコロと笑いながら明るい笑顔で話すリサはとても楽しそうだった。高校生3年生にしては幼い顔だが小さな顔にぱっちりとした瞳は澄んでおり、綺麗より可愛いが似合う子だ。


「そういえば、シュウ君にお願いがあるの」


「お願い?」


 うん。と力強く彼女は言うが、なぜ今僕にお願いをするのか。


「シュウ君にしか頼めないお願いだから、今日の帰り道に内容伝えるから放課後空けといてね!」


 疑問に思っていたらリサは矢継ぎ早に話を進めて、じゃあねと逃げるように教室から出ていった。やわらかい香りだけが机に残っていた。




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