第5話

「ご、ごめんなさい!!ごめんなさい!!!」



わー!!どうしようどうしよう


ほんとーに、ごめんなさい!!!





「あ"?いてぇじゃないかよ!?」






...私は恐る恐る顔を上げてみた

.......。


.....。



...。



、。




やばい、やばい、やばい、やばいよ!!

葵ちゃん髪の毛が真っ赤な男にぶつかってしまったよ、The不良だよ




「お前、俺にぶつかって来たよナァ?」



「えっと、ほんとーーにごめんなさい!!ちゃんと反省してます、前を見ていなかった私が悪いです!!!」



「謝られてもナァ?...怪我もいてェし、どう落とし前つけるんだァ」




「(何なのこの不良さん!!ぶつかった私が悪いよ!!悪いけど…器が小さいよ)」



涙目になりながら相手謝る



なんかなんかすっごいめんどくさい事になりそうだよ

どうしよう、と考えても一向に良い案は出ない

でも、ここは穏便に解決したい...

…でも穏便に終わるのかなぁ


だって、凄く嫌な顔で私見てるし、ニヤニヤしてるよ!!!!






「わぁっ」



油断していた



急に手を引っ張られ、私は不良の腕の中にいた。



「離してください」


キッと手を引いた相手を睨む



それはクマに威嚇された兎みたいにプルプル震えながら相手を睨み上げていた




「まァまァ睨むなよ、オネェチャン」


「あなたが手を引くからでしょ、話してってば」


「離すわけねェよォ?」


「離してってば!!」


「なァ、オネェチャン暴れてもびくともしないなァ」



嗚呼、運が悪い



ムカつくし、私を定めるかのようにニヤニヤ眺め回してるし



不良はいいことを思いついたかのように


「離して欲しいのなら身体で払うかァ?」と、


下卑た笑いを浮かべながら男は腰に手を回した。








.....少し油断してしいただけだ。


この区に来てから平和ボケしたのだろうか



そんなことを考えているうちに男は腰に手を滑らせる



最悪、汚い、触らないで、


こんなのアンズには痛くも痒くもないけど、流石に急では切り替えが出来ない



「汚い...」


つい、ポロっと出ちゃったのだ、本音が




「あ"?お前今の状況分かってんのかァ?!どうせ、1人で抜け出せねぇ癖によォ」



聞こえちゃってたよ、


あーやばい、


不良が更に手を滑らせる



「あー!!もう!!!女を舐めてたら痛い目見るよっと!」



腰に手を滑らせている男の急所に膝を上げ、相手が怯んだ隙に、振りほどき距離をとる




あぁー、もう、無意味な暴力は振りたくないのにな



でも、正当防衛だし大丈夫だよね

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