第2話 知らない間に年齢が???

「団長、私が抱いていきます」

「必要ない。砦に帰るぞ」 

砦が近づくにつれ、訓練をしているのか男たちの野太い声が聞こえてきた。

女よりも男のほうが多いこの砦では、男たちの野太い声が聞こえているのは日常だ。まあ、この国では女よりも男の数のほうが多すぎるくらいに多いのだが・・・・。それにしても、自分の腕の中にいるやわらかい子供??女だよな・・・・。かつての魔術師が伝えた光に導かれし子は男だったはずだ。子どもだからやわらかいのか?? 

「エイビー、この導かれし光の子は、娘だな。いくつくらいだろうか?」

「間違いなく娘でしょう。この国では考えられないくらい小さいですが・・・。まだ、成長していない子供だから小さいのでしょう。それに、娘が起きて年齢をきくまでは正確にはわかりませんが、おそらく14か15くらいではないかと・・・・」声が少しずつ小さくなっていく様子から、エイビーの困惑具合が伺える。常に冷静な彼女にしては珍しい。

まあ、それは俺も同じだ。 

「かつての魔術師が告げた導かれし光の子は5人。この娘以外の光の子はみな導かれてから数日で死んだときいている」

「我らは必ず守らねばならん」 

「はい、団長」

(朝宮咲良、29歳(もうすぐ30)が気を失っている間に本人にとってあり得ない年齢に勘違いされた瞬間であった。)

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