コミックス第1巻発売!SS②・涼しくてあったかいお話

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 小さな星のダイニング クチーナ・ルーチェ

   コミックス 第1巻

         8月22日(金)発売!

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発売を記念して、ショートストーリー(脚本形式)公開します!

今回は第2弾!


※なんちゃって脚本形式・台詞多め風味です。


~~~

とある日。

クチーナ・ルーチェのラストオーダー終了後。


店内にはガニアとアンジェラのほかに、ソニアとヘルムットがカウンター席で食事を終えてのんびりしていた。


ガニア「営業中のプレート外しに行きますね」

アンジェラ「うん。お願い」


ドアから外に出るガニアを見送るアンジェラに、ソニアが話しかける。


ソニア「ねえアンジー。今日は暑いから涼しい話で涼まない?」

アンジェラ「涼しい話?」

ソニア「例えばほら、怖い話とか…」


ガタッと言う物音が響き、アンジェラたちが首を傾げる。


ヘルムット「なんの音だ?」

ソニア「そう言えばガニアがいないわね?」

ヘルムット「プレート下げに行ったなら、外にいるんじゃないのか?」


ドアの外を覗き込む三人。


アンジェラ「ガニアー?」

ソニア「外にいないわね?」


テーブルの下を覗き込むアンジェラ。


アンジェラ「ガニア〜?」

ヘルムット「犬猫じゃあるまいし、さすがにそんなとこいないだろ」

アンジェラ「いるよ?」

ヘルムット「いるのかよ…」


テーブルの下には、ガタガタ震えるガニアがいた。


ガニア「…は、はい…。ここにいます…」


ビクビクしてるガニアを意外そうに見るソニアとヘルムット。


アンジェラ「どうしてテーブルの下にいるの?」

ガニア「ええっと…その…」

ヘルムット「…もしかして、怖い話が苦手か?」

ガニア「…苦手です…」

ソニア「へー、意外ね」

アンジェラ「ガニアが怖がってるから、やめようよ?」

ソニア「残念。面白そうだと思ったんだけどね」

ガニア「すみません…」


ホッとしてテーブルの下から抜け出すガニア。


ガニア「怖い話をすると、そう言うのが寄って来やすいですし…」

ガニア(…あれっ、僕もそう言うのに分類されなかったっけ?)

ガニア(…それなら、吸血鬼の話をすると思えば…)

ガニア「やっぱり、怖くないです!」(キリリッ!)

アンジェラ「…本当に大丈夫?」

ガニア「はい!」


⌛ 時間経過 ⌛


テーブル席に座る四人。

全員の手元に火のともったキャンドルがある。


アンジェラ「じゃあ私から話すね」

ガニア(びくっ)

ソニア「面白いくらいに反応が良いわね」

ヘルムット「…まだ話し始めてないだろ」

アンジェラ「やっぱりやめる?」

ガニア「だ、大丈夫です。つ、続けましょう」

ヘルムット「全然大丈夫そうに見えないけどな」

アンジェラ「うーん、怖くて涼しくなる話…」


ピーン!と閃いたアンジェラ。


アンジェラ「これはガニアが来る前の、お店がお休みだった日のお話なんだけどね」

ガニア(ビクビク)

アンジェラ「いつもみんなにお菓子を作ってもらってるから、お返しのお菓子を作ったの」

ガニア(…あれっ? 怖くなさそうだ…)

アンジェラ「ちょっと用があったから目を離してたんだけど、そしたら作ったお菓子が…いくつか減ってて…」

ガニア「ひっ…」

ヘルムット「いまの、怖がる要素あったか?」

アンジェラ「おかしいな? って思って、一緒にいたおじさんに聞いてみたらね…」

ガニア(ドキドキ…)

アンジェラ「おじさんが…うまいうまいって言って…沢山食べちゃってたの…。たしかに味見して良いよって言ったけど…」

ヘルムット「ただおじさんが食い意地はってるって話か」

ガニア(ほっ…)

ソニア「全然怖くないわね」

アンジェラ「そのときはびっくりしたんだよー!」

ガニア(怖い話じゃなくてよかった…!)


アンジェラがキャンドルを顔の下に置く。


アンジェラ「うーん。怖い話って難しいよね」


アンジェラの顔の下から光がパッと当たる。

出会った日に同じようなことをしていたアンジェラを思い出して、ちょっぴりほっこりして微笑むガニア。


アンジェラ「ガニア?」

ガニア「あ、その…。アンジェラさんに初めて会ったときも、そうやって顔の下から光を当てていたのを思い出したんです」

アンジェラ「ふふっ。あのときはビックリしたガニアが叫んじゃって、それを聞いたおじさんが飛んできたんだよね」

ガニア「ご迷惑をおかけしました…」

アンジェラ「ううん。迷惑なんかじゃないよ。来てくれてありがとう」

アンジェラ「それにしても、そんなに経ってないのに、懐かしいね」

ガニア「そうですね」


ほのぼのほっこりと微笑むガニアとアンジェラ。


ヘルムット「怖い話をする雰囲気じゃなくなったな」

ソニア「そうね。さっきと違う意味でぬくいから、解散する?」

アンジェラ「え? さっきよりあったかい? 窓開ける?」

ガニア「ちょっとドア開けて、風通し良くしましょうか?」

ヘルムット「あったかいの意味違うからな?」

ソニア「似たもの同士ねえ」

ガニア&アンジェラ「?」


入口のドアを開けようとするガニア。

その直前、ドアが勢いよくバーン!と開く。


おじさん「ラブコメの気配を感じたぞ!!」

ガニア「うわあああ!?!?」


ドアにぶつかりそうになって、慌てて飛び退くガニア。


おじさん「…………なにも起きてないな?」


アンジェラがジト目でおじさんを見る。


アンジェラ「おじさん…」

ガニア「び、びびび…びっくりしました…!」

ソニア「アンジーの怖い話より、ヒヤッとしたわね」

ヘルムット「怪我がなくて良かったな…」



★ コミックス第1巻発売!SS②・涼しくてあったかいお話 ★

 ~おしまい~



ショートストーリーは今後も、何かの折に追加していくかもしれません!



★━━━━━━ 宣伝 ━━━━━━★


前回と同じですが、宣伝です!


冒頭の通り、『小さな星のダイニング クチーナ・ルーチェ』の【コミックス】第1巻が8月22日(金)に発売!


本作は『魔法のiらんど大賞2022・コミック原作大賞』特別賞を受賞し、漫画化されました🎉


正反対な二人が送る、スローライフファンタジー!

描き下ろしの漫画も収録されています!

ぜひお手に取って頂けると嬉しいです✨


↓ 近況ノート ↓

https://kakuyomu.jp/users/koutounokarin/news/16818792438085299162


よろしくお願いします!

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酒場クチーナ・ルーチェの小さな星《ひかり》 ~酒場の若女主人と孤独な吸血鬼の在処《ありか》~(コミック原作大賞応募用) 江東乃かりん @koutounokarin

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