無趣味だった妻が、最近、なにやらパソコンに向き合ってキーボードをカタカタと激しく叩いている。
どうやら小説を書いているようだけど、それが現実とリンクしているような気がして、怖くなってくる……という内容。
カタカタカタカタという音が最初は何とも思っていなかったのだけど、物語が進むにつれて、だんだんと不気味に感じていくのが、巧妙でした。
妻が何の目的でそれを書いているのか?
ミステリーの側面もあり、いろいろと考えながら読んでいくのが楽しかったです。
終盤には衝撃的な真相も明らかになり、きっと読んだ人の多くが驚かされることになるでしょう。
短時間で恐怖を味わえ、謎解きもできる、素晴らしい小説です。是非ご一読を。
じわじわと、日常が冒されて行くようなサスペンス性に満ちた作品でした。
主人公は、最近になって妻が「ネット小説」らしきものを書き始めたことに気づく。
一体何をやっているのだろうかと、ついつい好奇心で覗いてしまうことに。
ここから少しずつ、主人公の日常がほころび始めていくことに。
妻が書いているのは、本当にただの小説なのか? そこに書かれている内容が、どうも自分のことのように感じられる。
自分自身を見ているような「何か」の目線。そして、妻がアップロードしているデータの中には、明らかに自分という個人を特定できるようなものまで見え始める。
始まりは単なる好奇心だった。ちょっとした覗きだった。
覗いていることを気づかれてはならない。だから、そこにある情報がどんなに不穏なものだったとしても、妻を問い詰めることはできない。
そんなジレンマの生じる状況。果たして妻の目的は……
「覗く」、「秘密に踏み込む」という行為は物語の世界において「タブー」に属するものとなるため、それを踏んでしまうということは、「その先で怖い展開が」と予感させられることにもなります。
そのため、第一話からずっと、読者は「怖い物見たさ」で引っ張られることにも。
そうやって彼の行く末を見て行った読者は、最終的に何を目撃することになるか。