第14話 そとばた駅

この駅を使いだして何年だろうか。

私の平日はここから始まり、ここで終わる。

毎日毎日、よくぞ繰り返したものだ。

そしてまだまだ続くのだろう。


改札も、ベンチすらもない、ただ列車が止まるだけの、絵に描いたような無人駅。

街灯は一つだけ、駅名が書いてある苔むした看板を照らすだけの。


そんなところだから、酔って帰ってきた時に一度だけ階段を踏み外したことがある。

足を挫いてしばらくは大変だったものだ。


数日後、そこに手すりと柵が出来た。

もう少し早く出来ていれば、捻挫なんてしなかったろうに。

はたまた、私のあの無様な瞬間を目の当たりにした誰かが鉄道会社や市にお声掛けでもしたのだろうか。

もし見られていたとするならば恥ずかしい限りだ。


今日もまた、一日が終わった。

ここから家まではもう少しあるけれど、駅を出ると「ただいま」という感じがする。


解き放たれる、というか。

憑き物が落ちる、というか。

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