第5話 聖なる革命!人工原子とニュートリノ放出装置の誕生

甘美なる休息の後、再び――。


スイーツによって落ち着きを取り戻した研究者たちは、量子ホワイトハック・システムの計画を慎重に練り直すことに成功した。

しかし――。


「教皇様、大変です!!!」


再び研究者たちが慌てふためきながら駆け込んできた。


「……またか。今度は何だ?」


「人工原子がマイクロ波を貯蔵し、好きなタイミングで放出できる技術が発表されました!!」


「ほう、それは興味深いな。」


「さらに、これを応用すれば……!」


研究者たちは目を輝かせながら叫ぶ。


「ニュートリノを放出する装置を作れるのでは!?!?!?」


「!?!?!?!?!?」


教皇が立ち上がった。


「ニュートリノを……制御する……だと?」


「そうです!! これこそ次なる聖なる革命!!! もしニュートリノを自在に放出できるなら、未知のエネルギー源として応用できるはず!!!」


「確かに……ニュートリノは物質をすり抜ける性質を持つ……それをコントロールできれば、未知の技術が開発できる可能性があるな……!」


すると――。


「……落ち着きませんこと?」


再び、聖女リュナシアが鋭く光る眼鏡をクイッと上げながら、静かに言い放った。


理性 vs 研究者の暴走


「皆様、技術の発展は素晴らしいですが――」


リュナシアはスクリーンに映し出された**『ニュートリノ制御システム』**の設計図を指さした。


「少々、お話が飛躍しすぎていませんこと?」


「い、いえ!! 今回は本当に画期的な発明なのです!!!」


「……そうですわね。しかし。」


リュナシアは紅茶を口にしながら、穏やかに微笑む。


「ニュートリノを制御するということは、物理法則をも超越する可能性がございますわね?」


「!!!」


研究者たちは一瞬黙り込んだ。


「もしこれが実現すれば――」


リュナシアはゆっくりとマカロンを一口かじる。


「空間をすり抜ける通信技術、無限のエネルギー生成、さらには……透視の実現も可能かもしれませんわね?」


「!!!!!!!」


研究者たちは震えた。


「つ、ついに我々は――」


「神の力を手に入れるのか!?!?!?」


「ブラボー!!!!」


教皇、驚愕の決断


「……待て。いや、待て。」


教皇は冷や汗を流しながら額を押さえた。


「ニュートリノを自在に操れるなら、それこそ制御不能の領域に突入するのではないか……?」


「いえいえ、教皇様!!!」


研究者たちは熱く語り始める。


「これは未来への第一歩なのです!!!」


「制御できれば、地球内部をリアルタイムで観測できるのです!!!」


「果てはブラックホールの内部すら観測可能になるかもしれません!!!」


「我々はついに、宇宙の法則に挑戦するのです!!!!」


「すばらしい!!! すばらしすぎる!!!!」


「革命だ!!!!」


教皇の表情が青ざめる。


「お前たち、本当に人間の領域を超えるつもりか……?」


「その通り!!!!」


「ニュートリノ制御により、神の叡智を我らが手にするのです!!!!」


「ブラボー!!!!」


研究者たちは立ち上がり、歓声が響き渡った。


聖女リュナシアの冷静な制止


そのとき――。


リュナシアは静かに椅子から立ち上がり、スイーツの箱を取り出した。


「……まぁ、とりあえず、落ち着きませんこと?」


「え?」


「皆様、考えすぎて糖分が足りていないのではありませんの?」


テーブルには、聖なるミルフィーユと黄金のプリンが並ぶ。


「まずは、甘いものを食べて冷静になりましょう?」


「いや、しかし……これは……」


「さぁ、どうぞ。」


リュナシアの微笑みにより、研究者たちは困惑しながらもスイーツを手に取る。


「……うまっ!!」


「……これは……まさに天の恵み!!!」


「脳がリフレッシュされる……!」


「ふぅ……なるほど、確かに落ち着きますな。」


教皇もうなずき、ミルフィーユを口にする。


そして、新たなる進化へ


「さて、皆様。」


リュナシアは穏やかに語る。


「どれほど優れた技術も、制御できなければ意味がありません。」


「ニュートリノ制御技術が暴走すれば、世界を破壊する危険すらあるのです。」


「それは……」


研究者たちは顔を見合わせる。


「……確かに、仰る通りです。」


「まずは、理論的なシミュレーションを重ねて、慎重に研究を進めるべきですわ。」


「はい、女神リュナシア様!!!」


「では、まずは試験的に小規模のニュートリノ放出装置を作り、段階的に研究を進めましょう。」


「賛成!!!!」


こうして、暴走しつつあった研究者たちはスイーツによって鎮静化され、プロジェクトは健全な方向へと進むこととなった。


次なる革命、そして甘美なる休息を。


『ルナフォン』『量子ホワイトハック・システム』に続き、ニュートリノ放出装置もまた適切に制御された形で開発が決定された。


そして――。


「……ふむ。やはりスイーツには、人を落ち着かせる不思議な力があるな。」


教皇は満足げに紅茶を飲みながらつぶやいた。


「まさか、技術開発の場でスイーツ外交が発動するとは……」


「これもまた、女神リュナシア様の加護なのです!!!」


「だから、勝手に私を崇めるのはやめなさいませ。」


かくして、新たな技術革新は聖なるスイーツによって救われ、世界はさらなる進化を遂げるのであった。


―― 次なる革命、そして甘美なる休息を。

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