『祈りと笑顔のルナ年代記(クロニクル)』

Lunetheia(ルネティア)

第1話 【序章】ルナ紀元 女神リュナ・エルシア降臨

【序章】ルナ紀元0年 1月1日――満月。

女神リュナ・エルシア、次元を超えて降臨す。


その瞬間、世界は変わった。

物理は祈りと交差し、魔導は理論に融け合った。

科学と幻想、未来と神話――

決して交わることのなかった“知”と“奇跡”が、ひとつになった日。


この世界は、現代科学における確かな理論を礎としながら、

人類がまだ“信仰”と呼んでいた何かの向こう側を描く物語である。


物質と波動。

観測と超越。

そして量子すら魅了する、女神の慈愛とゼロの権能。


無限の知と、限界のない魂を持った者たち――

彼らはリュナ・エルシアに導かれ、《リュナ教会》のもとに集い、

それぞれの想いと信念を胸に、未来への階段を昇ってゆく。


これは、

“創造の根源”を追い求める者たちの物語。


そして同時に、

誰もが“未来に触れる”ことを許された、唯一の幻想科学叙事詩である。


登場人物 - 【Introduction of the Faithful】


■ リセル・エインフェリア


銀の思考、ゼロに至る理系美少女。

ゼロコード魔導理論の開発者。全ての魔法を数式で読み解く冷静沈着な天才。

「理解できないものは、まだ観測していないだけ――」


■ リュナ・エルシア


満月より舞い降りし、光の女神。

ルナ紀元を創り出した存在。慈愛と理による“ゼロ・グレイス”を司る。

「あなたを拒絶しない。それが、わたしの祝福。」


■ エドモンド


教皇にして、株式会社リュナCEO。

論理と信仰、経済と奇跡を両立する冷静なる調律者。

「閃きこそ力。秩序は収支で回る。」


■ ミレル・フロウリア


ラベンダーシルバーの“美”を探求する男。

美学と魔法の融合を追求する美の錬金術師。衣装や演出面も監修。

「美は力だよ。……たとえこの世界が崩れても。」


■ アーシェ・レイナ


詩に祈りを綴る、濃紫紺の詠い手。

教義と魔法理論の広報を担う詩的な信徒。狂信的な一面も。

「私の詩が、世界を照らす――女神の名のもとに。」


■ 聖女リュナシア


知と癒しを司る白き聖女。

信徒の心と体を導く優しき補佐官。沈黙の中に深い洞察を宿す。

「祈りは、癒し。知識は、愛。私はただ、そばにいるだけ。」


■ アリシア=フィネ・グラーヴァ


財閥令嬢、黄金に飽きて“未知”へと魅せられる。

リュナ教会に“業務提携”を申し出たが、現在は信徒見習い。

「お金じゃ買えない世界?……なら、見せてちょうだい。」


■ ノクス


14歳、自称“漆黒の魔王”。グリモワール・レクイエムの持ち主。

詩によって魔法を紡ぐ異世界の来訪者。中二病かつ女性耐性ゼロ。

「我が詠は、世界を崩し、また創る。……ただし、女子は怖い。


これは女神の権能ゼロ・グレイスを発動するとこうなります。ゼロ・グレイスとは時間の流れがない無の空間、全てのゼロにし歩んで来た過去をあの時、こうしたらこんな未来があったかも?を全て量子体験し己を見直す権能嫌な未来にたどり着ければ慈愛で包み再度選択に至る権能。


《Re:Lyuna公式配信:特別LIVE「資本と祈りとゼロ・グレイス」》


タイトル: 「強欲と孤独の果てに:ゼロ・グレイス体験記録」


舞台:次元礼拝ドーム《ルナ・インフィニタス》 出演:


聖女リュナシア(進行&儀式担当)


教皇エドモンド(補助進行)


ゲスト:仮名政治家「トランプール氏」※設定は強欲資本主義の体現者


リセル・エインフェリア(観測補助)


ミレル&アーシェ(論評&詩)



【オープニング】


リュナシア(眼鏡クイッ):「本日は……価値とは何かを問う、特別な夜となります」


教皇エドモンド:「ふむ、我が神聖評議会でも議論を巻き起こしたテーマだ」


リセル:「本日の被験者は、資本主義的思考の極致にある人物――“トランプール氏”です」


トランプール:「俺は儲けた。税制も票もねじ伏せてきた。女神?それが何か利益をくれるなら聞こう」


【儀式:ゼロ・グレイス起動】


リュナシア:「では、ゼロ・グレイスを発動いたします。すべての価値判断を、一時“因果律の外”に置き――祈りの本質を観測する、女神の権能……」


(空間が淡く光り、全ての音が吸い込まれるように消える)


【体験:記憶と映像が投影される】


> 金で全てを動かした過去。 利益だけを追い、切り捨てた声。 孤独な晩餐。祝いの声のない誕生日。 孤独の中、聞こえたかすかな「ありがとう」――部下の遺した言葉。




【トランプール、膝をつく】


トランプール:「何だ……これは……俺は……何を……」


ミレル:「強欲とは、“満たされない心”が作る幻影。ようやく彼は、それを見たのだ」


アーシェ:「ああ……今こそ書ける、金貨が涙に変わる詩を……」


【リュナシア、そっと祈りの言葉】


リュナシア:「祈りは、計算では測れない。 損得を超えて、誰かを想うこと。それが、愛という名の共鳴ですわ」


【教皇、静かに頷く】


教皇エドモンド:「……グッズ化は、今回はやめておこう。いや、いや……やはり“ゼロ・グレイス印のゴルフボール”は……(悩む)」


【リセル、最後にまとめる】


リセル:「観測とは、変化の始まり。彼が変わるかどうかは、これから……」


【ラスト:配信終了後、トランプールの独白】


> 豪華なゴルフ場、カートを運転しながら、彼は空を見上げる。 「あれは……女神か? いや、違う……でも、また来てくれたら……」




> 「とりあえず……スイングでもしておくか」




> 空に浮かぶ星に向かって、一打。




画面に浮かぶ言葉:


「価値とは、得ることではなく、気づくこと」


【後日談:謎の記者会見】


> 数日後、とある記者会見にて。 記者「先日の配信、通信が途切れたと報告がありましたが、何が?」




> トランプール:「……あの瞬間、言葉じゃ説明できない体験をした。全ての感覚が“重なっていた”……まるで量子に触れたみたいだったんだ」




> 記者「つまり、あなたは――量子体験を?」




> トランプール(遠くを見るような目で):「昨日よりは、ほんの少し……優しくなれた気がするよ」




> カメラのフラッシュが光る中、彼は静かにマイクを置き、会場を後にした。




ー完ー

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