この恋は残り3年です

橋本衣

第1話 仮の恋人が出来ました




「私と3年間付き合って!」


「へ?は?、、、、はぁぁぁぁぁ!!?!?」


桜の花びらが綺麗に舞う4月初春、私は同級生になったばかりのこの女、私よりも年上の女に告白をされた。












何でこんな事になったのだろう。まだ、数時間前は普通の日常を送っていたのに、











あれは、桜舞い太陽が照らし晴々とした朝の事。私は洗面台の鏡の前で悩んでいた。


「ん〜、、、、ママ〜、ねぇね、このカチューシャとこっちのカチューシャどっちが良いと思う?」


「まだ悩んでたの?もうかれこれ10分は悩んでるわよ。お母さんなら、リボンが短めの深めの赤が良いと思うけど」


「私もそっち!ピンクも良さげだけど、桜並木の中ならピンクより赤の方が映えると思うし!」


「そう?なら、こっちにする〜」


私は洗面所から顔を引っ込めながらそう言って、左手に持っていた赤色のカチューシャを綺麗に付ける。

私の名前は綺野瑠華きのるか15歳。今日から高校1年生になったばかりの新入生だ。小柄(150cm(本当は148cm))な体格と母と父に似た可愛らしく幼い顔立ちのせいで、昔は色々ありました。


アドバイスをしてくれたお母さん(48)と3番目の姉で現在今年大学1年生になったばかりの綺野麗衣きのれい18歳!名前の通り、綺麗!高校時代は、週に1回は男女のどちらかに告白されていた時期があったらしい。それを聞いて、やっぱりねぇねに性別って関係ないんだなって、理解したね。私は、


私はそう思いながら床に置いていたリュックを持とうとしたら、リビングから声をかけられて私はそちらに目を向けた。そこには、


「瑠花、そんなお洒落してだぁれに見せるんだよ〜」


「お兄ぃ、別に誰でも良いやろ」


私はそうフイッと顔を背ける。教えたら絶対揶揄われる。アイツに見せる為とか絶対に言えない!アイツって言うのはまた後で分かるから、今は言わない!

因みに、お兄ぃこと2番目の兄の綺野雷衣きのらい21歳。現在は大学の休みでこちらに帰省中。因みに名前の由来は生まれた日に雷が落ちた瞬間に生まれたので雷みたいに明るくだけど人をちゃんと落ち着かせる様な人になれと言う意味らしい。因みに、明るい性格にはなった。


爽やか元気系イケメンって感じ。すると、背後から気配がして振り返ると、


「誰って、あの子だよね〜、瑠花、!」


「ぁ〜、あの子ね〜。ふふっ、楽しみなのね〜」


「!ねぇね、!ママ!本当に違うよ!もう!にぃに居ないの!?」


お兄ぃ同様、揶揄ってくる2人にも恥ずかしくなり、私は1番歳の近い3番目の兄を探しながら声をかけるが、居ない。


「居ねーよ。和華わかなら、入学式があるからって」


「ぇ〜そうなの。って、そっか。入学式9時からか」


「確か、内部生は入学式出ないのよね?」


「うん、外部生限定だから、うちの入学式」


私は、にぃにがいない事に落胆して、椅子に座る。現在の時刻は10時半、私が家を出るのは11時、内部生は入学式を終えた外部生と一緒に挨拶や自己紹介などを行うのだ。

そして、にぃにこと綺野和華きのわか17歳は綺麗な顔立ちと和風美人と言う言葉が似合い、髪が長く女性に見える時がある。因みに、ブラコンシスコンである。


私はそれから、リビングでテレビを見たりして時間を潰して気付いたら、10時55分になっていた。私はソファから立ち上がって、身なりを整えてからリュックを背負う。


「じゃ、行ってくるね」


「行ってらっしゃい、!可愛い姿褒めて貰うのよ!あの子に!」


「頑張れ!瑠華なら出来るぞ!可愛いから!」


「ぁ〜、褒めて貰う姿をこの目で見たいな〜」


「アンタら、私を揶揄う事が本当に大好きだね!?」


私はもうこの姉兄母嫌って!思いながら勢い良く玄関を開けて家を出た。すると、家の外に立っている人を見つけて、心臓が跳ね上がってドキッとなった。私はすぐに門の扉を開けてその人物に声をかけた。あ〜コイツの事考えてたから居るの!?


ガチャッ


「、、!!?ゆう!?な、何で!?」


「ん、?ぁ!瑠華!おはよう!って、一緒に学校行こうと思ってさ、ほら中学校とは校舎の場所少し違うじゃん?」


「そうだけど、待ってたりしなくても良いのに、」


「俺が居ないと寂しいだろ?瑠華は?」


「はぁ!んな訳〜!、、、、まぁ、悠がそう言うなら、行こっか?」


「はいはい」


そう言って、悠の隣に立って歩き出した。この男、笹本悠ささもとゆうと言う男は私が生まれる11ヶ月前、4月生まれで、同じ病院で生まれ、お互いの両親が幼馴染だったし家も近い事もあり、私達も自然と幼馴染と言う関係になっていた。整った顔立ちに高身長、成績優秀で運動神経抜群で優しく明るく少しクールな性格もあってとてもモテる、、、、が本人は天然なので気付かないのが本当に女子生徒が可哀想だ。

そして私は先述の事で分る通り、私は4歳から片思いを続け、花嫁修行の為に、料理教室に通ったり、裁縫や掃除、メイクなども頑張ったが、、、、


「ね、今日の私どう思う?」


「へ?ん〜、いつもより数ミリ小さi バシシツツツ(殴 ぃ、いった〜!!何すんの!?」


「こんな質問した私が馬鹿だった(このカチューシャ、初めて付けるのに気付かないの!?まぁ、コイツ天然だし馬鹿だし!)」

「(でもコイツの1番厄介な部分は)」


私なんでコイツ好きなんだろうと何回思ったか。私は歩きながら自分自身に自問自答をする。


コイツは重度の天然&アホである。人の変化に気付かないは愚か、人からの好意を軽く受け流したりするのだ。なのに、なのに!


「何か理不尽〜、、、、でも、いつも可愛いけど、今日は超可愛いね」


「、、、、//////////// ば、馬鹿じゃないの!」


「何で、本当の事言ったんだけど?てか、顔赤くない〜?」


「私の顔を見たら、お前の目は無くなると思え」


「コワッ、!!」


無自覚なイケメン発言をして数々の女(私も含む)を堕としてきた罪人である。中学に上がってからも変わらず私と接してくれ、いざとなれば頼りになる同い年のお兄ちゃんみたいな部分もある。


「!瑠華学校見えてきた!」


「はいはい、てか、私達の場合中等部生の頃から高等部の校舎見て来たでしょ?」


「でも実際に通ったりするのは今日が初じゃん!」


「落ち着け、外部生が見たら不審者じゃお前」


そう言いながら落ち着かせる。そう私達が通うこの学校、鷹宮学校は中高一貫校であり、私達は中学から通っている。校舎は同じ土地内にあるが、専用の校門や校舎は少し離れているから中々来たりする事はなかった。

にぃにのお弁当届けたりするので来た事はあるけど、と言うかコイツ目輝かせるとは私よりよっぽど子供っぽいな、何て思いながら、2人一緒に校舎玄関から中に入る。すると、生徒達の騒がしい中、早速顔見知りの人物と遭遇した。


「おっ、瑠華に悠じゃん、おはよ〜」


「あら、本当ですわ」


すばるおはよ〜、隣は律奈りつなか」


「お2人ともおはようごさいます」


「律奈〜、おはよう〜、ぁ、クラス何組〜?」


「瑠華安心しろ、俺ら4人と依澄いずみ奈々羽ななは同じクラスだから」

「因みに1組〜、4年連続」


「マジ?!ヤッタ〜!」


校舎に入りすぐに声をかけて来たのは小学校からの幼馴染の咲谷昴さきやすばると幼馴染歴(4年)は短いけど超仲が良い室井律奈むろいりつなの2人だった。律奈は超が付くほど礼儀正しいお嬢様!比喩じゃないからね!

2人ともう2人は悠と一緒で中等部の時も3年間ずっと同じクラスだったんだ。

昴は


依澄いずみ奈々羽ななはの2人はまだか?」

この2人も私の幼馴染なんだよ!


「いえ、先ほど奈々羽ちゃんからLINEが来てもう依澄君と登校しているそうですよ」


「あの2人って何気に行動早いよな〜」


「分かる〜、でも約束事には大抵遅刻」


「ハハッ 悠には言われたくないだろうね、2人も」


悠の言葉に私が呆れたながら諦めた表情をしながら言うと、続けて律奈と昴も言う。


「まぁ、悠君は前科がありますものね」


「だよな、本当に」


「3人して酷い!」


「まぁ、とりま、教室行こ?」


「「「は〜い/はい」」」


そう言って人混みを交わしながら歩き4人で教室のある3階に階段で上がるのではなく、エレベーターに乗り込む私達。何故、エレベーターかと言うとそれは、


「理事長も面白い事するよね〜、まさか中等部で3年間ずっと成績上位者の生徒にはエレベーター自由使用権、学費の半分免除に学食費免除、学校内にある娯楽施設の自由使用権諸々をあげるってのを今年から始めるなんてね」


「去年聞かされた時は超ビックリしたけど、まぁ俺ら全員3年間ずっと10位以内だったもんね」


わたくし、今でも瑠華ちゃんに勝てませんわ」


「俺も無理、悠に勝つ事なら出来そうだけど〜」


「何それ、普通じゃん」


因みに依澄と奈々羽の2人も成績上位者である。本当、1年の最初の時に3位になって、ママとパパに褒められたのが嬉しくて10位以内キープしてたとか、口が裂けても言えない秘密なのはここだけの話ね!

それから、話していると既に3階に到着、急いでエレベーターから降りて自分達の教室である1組へと入ると、


タッタッタタッ


「瑠華〜聞いて〜!!!!!!」


「ウワッ (避) ビックリした」


「ドンッ イッタァ〜 瑠華何で、避けるの!!(涙目)」


「お前が瑠華めがけて突っ込んだからだろ ペシッ」


「イテッ、、、、それはごめんだけど」


「うわぁ、、、、依澄、奈々羽おはよ」


「おはよ、今年も同じクラスだな」


教室に入るなり、私めがけて勢い良く突っ込んできたのは幼馴染であり元気過ぎる川原奈々羽かわはらななはと奈々羽を突っ込んだのは最後の幼馴染で真面目な大宮依澄おおみやいずみである。2人は私と悠と同じで生まれた時からの幼馴染である。因みに誕生日的には奈々羽の方が1ヶ月生まれたのが早い。


「あの、奈々羽ちゃん、何か言いたい事があるんじゃ?」


「ぁ!そうそう、席!見て!」


バシッ


そう言われて、教室に入ってすぐに目に入った黒板には誰が何処の席かを書かれていて、そこには、何と、


「ぉ、みんな席近くね?」


「そう!唯一瑠華の後ろの席は幼馴染組じゃなかったけど、全員が一塊で席が近い!」


「はいはい、嬉しそうですね。てか、私一巡目の1番前じゃん」


「俺、隣〜」


「俺は悠の後ろで、」


「俺が昴の後ろ」


「で、私が瑠華の後ろの後ろ、律奈が私の後ろ!」


わたくしだけ、誰も隣の席に居ませんわ」


「安心しな、私達の絆はちゃんとあるから」

「それに名前的に、ほら内部生の奴だと思うよ?それと、立ってるのもアレだし椅子に座ろ?」


「「「「「は〜い/そうですね」」」」」


私の言葉で5人は各自席に座った。リュックを机に置いてから座ってもう一度黒板に目を向けて後ろの席の人の名前を確認した。


「(倉橋くらはしね、外部生かな?同じ学年に倉橋って子居なかったし)」


何て、思いながら顔を下に向けて携帯を出して触ろうとした瞬間、目の前の扉が開く音が大きく聞こえて来た。


ガラッ‼︎‼︎

「ッ!?(ビックリシタ)」


顔を上げるとそこには少し大人っぽく綺麗な顔をした女の子が居た。私はその綺麗さに少し目を奪われていた。私以外にも入って来た女の子の方を見ている人達は居た。入学式が終わったからか、次々と外部生達が教室に入ってくる。人数的には10人ぐらい。


「、、、、えっと、ぁ、此処か」


そう言うと私の方向に向かえば、私の後ろの席に座った。横を通る時に懐かしい匂いがして、一瞬振り返りそうになったが、悠に悟られない為に我慢した。


「、、、、(この子が倉橋さん?って事で良いのかな?)」


何て、少し興味を覚えながら携帯を触っていたら、担任だろうか、前から先生が入って来た。下を向いていたのもあって少し緊張しながらその先生の顔を見れば、私達幼馴染sは落胆してしまった。何故なら、


「みなさん、御入学、あと進級おめでとうございます」

「はい、今日から高等部1年1組の担任になる、大崎正広おおさきまさひろです。えっと、内部生は俺の事知ってるよな?一応、中等部の教員もしてるし」


何て言っている20代後半の背が高めの整った男に私はすぐさま物申した。


「知ってると言うか、私達の場合これで4年連続ですけどね?」


「そうだそうだ〜!何故、まさ先生だ〜」


「知らねぇよ、俺が知りたいぐらいだ」

「とりあえず、外部生の入学式を終えたばかりなので、自己紹介を始めるぞ」


正先生はそう真面目な表情をしながら教卓に出席票をトンッと置いて音を鳴らした。


「(ちゃんと教師してるな〜)」


私は久しぶりに見た、正先生の教師姿に懐かしさを覚える。


「じゃ、瑠華じゃねぇ、綺野自己紹介して」


「ぇ、はーい、てか瑠華で良いんだけど」


少し緊張するがそう言って椅子から立ち上がって、後ろに回って自己紹介をする。


「、えっと内部生の綺野瑠華です。趣味は料理と裁縫、ゲームです。これから1年間よろしくお願いします」


パチパチ パチパチ


緊張しながら言い終わって、座った。次は多分順番的には倉橋さんかな?私はそう思いながら先生の方を見る。


「じゃ次、後ろの倉橋〜」


「、、、、、、、、」


「倉橋?どうした?」


「へっ?、ぁ、すいません!」


先生の応答に答えず、先生は倉橋さんの近くに行って、肩を叩いて声をかければ驚きながらも立ち上がって自己紹介をした。何か、後ろから視線があったけど気のせいかな?


「、私は倉橋晴奈くらはしはるなって言います!趣味は映画鑑賞とスイーツ巡り、あと梅干し作り!」


「(明るいな〜、てか梅干し作りって珍しい趣味だな〜笑)」


何て思いながら話を聞く。緊張してるって言うのが声で分かる。だが、次の瞬間驚きの発言をする倉橋さん。


「それと、私今年で18歳で、余命3年です!なので何で1年生かって言うと、後悔したくないから!なのでこの3年間頑張ります!」


「「「「「「「「「「はぁ、!!!??」」」」」」」」」」


私達クラスに居た生徒達は一斉に声を上げて、倉橋さんに注目した。何か、大人っぽいとかそー言う事!?ん〜?!?


「!!?(余命3年!?18歳!?何それ!!?)」


「まっ、こんな事気にしないでください!」


「「「「「「「「「「(そう言われても気にしてしまうわ!!」」」」」」」」」」


みんな心の中の声は同じだったろう。私は驚きと困惑は固まってしまっていたのか、いつのまにか自己紹介トークは終わっていた。


この人のこー言う奇想天外な性格、、、、ん〜何か覚えがある様な〜、、、、何だっけ?


私はそう思いながら、倉橋さんに大きな興味を抱いていた。今度話しかけてみようかな、





それから、1時間半後私達は軽く学校の紹介をされたり、今後の動きを抑えられて、軽く授業的な事を正先生にされた。

解放されて、私以外の悠、昴、伊澄の3人は近くに新しく出来たファミレスに行くらしい。律奈はご家族と入学祝いで食べに行くって言ってたし、奈々羽は確か弟達の世話があるって言ってたな〜


私は1人寂しくなったので、理事長から貰った権限の1つ、屋上を自由に行く事が出来るので、今居ます。


ガチャッ


「わっ、風強、、、、って、わぁ〜、!」


屋上の扉を開けた瞬間に目に映ったのは床一面に桜の花びらが絨毯の様にあったのだ。私はなるべく汚さない様に新品のスリッパで床を歩く。


「そーいや、うちの学校桜の木が30本ぐらいあるって前ににぃにが言ってたな」


私は今この状態に納得しながら、フェンス付近に近づく。


「、、、、はぁ、悠の奴昔は昴や伊澄じゃなくて私を優先してくれたのに、」


幼少期の悠の写真を見ながら私はため息を吐く。最近は登下校以外でちゃんと2人っきりになった事ないし、それに私が頑張って好意を向けてるのに、なのになのに!!

挙げ句の果てには、


『じゃ、俺達行くね?瑠華は本当に来なくて良いの?』


『ぅ、うん。大丈夫!3人で行きなよ!』


私は気を遣ってんだよ!良い!?男女3:1で行動してたら変に目立つわ!それに、悠と2人っきりでご飯が食べたいんだよ!この鈍感!


「私がこーんなに好きなのに!もう告白してやんないけど!?と言うか、好き好き言うのも私の性格じゃないけど」

「でも、私は悠の事が大好きなんだ〜!!本当に、悠の馬鹿〜!!」


私はそう勢い良くそして思った事を大きな声で吐き出した。少しスッキリしていると、屋上の扉がカタンッと言う音がしてすぐに振り返った。


カタンッ


「!! ブンッ((振り返る))」


「、、、、ぁ、」


「ぁ、、、、」


振り返った先には私に気付いて気まずそうにして入って来た倉橋さんだった。私は先程の発言を聞かれたんじゃないかと、内心めちゃくちゃ焦りながら、入ってきた倉橋さんに声をかける。それと同時に木がざわめく。


「く、倉橋さん?だって、えっと、どこまで聞いてた?」


「ぇ、ぁ、「悠の馬鹿〜!!」とかだけだよ?その前は聞いてないから」


「そ、そっか ホッ 」


私は一気に安心した。もし前を聞かれてたら一生の恥!そう思っていると次の疑問が押し寄せてきた。


「、、、、ん?あれ、何で倉橋さん屋上に来てるの?ここって一応一般の生徒は立ち入り禁止なんだけど」


「ぁ、それはね。私は一応学年首席で入学したら特別に入っても良いんだって、さっき、大崎先生に教えて貰ったの」


「、へぇ〜、そうなんだ」


少しオドオドしながらも教えてくれた倉橋さん。私は少し気まずくなっている、初対面それも年上同級生と言う事もあってか、すぐにこの場から逃げ出したくなり、動こうとした瞬間、


「ぁ、あの!綺野さん!その、伝えたい事があるんだ!良いかな!!」


「!、、、、うん、どうぞ(どうぞじゃない!本当はすぐに逃げたかったけど、それは失礼だし!)」


私は断る技術が乏しいから、すぐに倉橋さんの前に立つ。倉橋さんは私の顔をじっと見つめた。私は見つめられて、恥ずかしくなった。


何か、妙に静かなんだけど、ぇ?何、次に何言われるの!?私!


私は緊張しながら、次の言葉を心待ちしていると、倉橋さんは私にズイッと近づいて来た。私は少しドキッとしてしまった。そして次の瞬間には、勢い良く私向けて右手を差し出してきた。そして放った言葉とは、






















「私と3年間付き合って!」


「へ?は?、、、、は?、はぁぁぁぁぁ!!?!?」


私は驚きのあまり大きな声で叫び一歩足を下げた。


「、、、、やっぱり、覚えてなかったか(ボソッ 」


私が驚いていると、倉橋さんは小さく何かを呟いた。覚えてなかったか、?私は何を言っているのか、分からなかったが、今は驚きしか勝たなかった。


「、、、、付き合いたい?何に?部活?それとも買い物でしょうか!?3年間も!?」


「!違うよ、違う。付き合いたいって言うのは恋愛的に、カップルになってくださいって事!」


私はどうにか勘違いであって欲しいと思いながら、そう言うが肝心の倉橋さんは、笑いながらそう言ってきたので少しイラついた。


「カップル、?、、、、何で?」


「何で?ん〜、教室で私が言った事覚えてる?」


「ぇ?ぁ、今年18歳になるのと、後余命3年って事?」


「そう!今では碌に学校なんて通った事ないし!16、17歳も入院生活!なのになのに、余命3年言われたから!私はめいいっぱい味わえなかった青春を味わう為にまずは恋人を作ろうって思ってね!」


「、、、、ほぉ?」


勢い良く早口でそう言いながら私にズイッと近づく。何か、思ってた性格と違う。、、、、あれだ。残念美人って本当にいたんだな。と現実逃避をしてしまう、私。


「私、女ですけど?倉橋さんも女性ですよね?」


「うん?そうだけど?何、恋愛には性別関係ないよね?」


「そうですけど」


「それに、私は綺野さんに惹かれたんだよ!恋に真っ直ぐなところとか!あと、可愛いから好き!これって一目惚れだよ!愛してる〜!」


「、、、、無理ですよ。私は、他の人にお願いしたください」


私はそう言って倉橋さんの真横を通り、屋上の扉に手をかけた瞬間、


「、、、、なら、さっき叫んでたこの音声をクラスメイト全員に聴かせるけど?ポチッ

「私がこーんなに好きなのに!もう告白してやんないけど!?と言うか、好き好き言うのも私の性格じゃないk 」「うわぁぁ〜!まじやめて!!」、、、、ピッ どうする?」


音声レコーダーに録音されていた言葉に私はすぐに顔を赤ながら、それを止める様に倉橋さんに近づく。止めてから私の方を見てそう言って来た倉橋さんの顔を悪い顔をしていた。


「、、、、付き合ったら、聴かせない?」


「うん!それは愚か、私は貴方の片思いを協力してあげる!付き合ってくれる代わりに!」


「協力?」


「うん!笹本君って結構見た感じ鈍感の天然っぽいから、私が色々試行錯誤して、笹本君と綺野さんが付き合える様にしてあげる!』


そう笑顔で提案された。私は一瞬良い条件だと、思った。だけど、そんなの事でアイツは私にちゃんと振り向いてくれるか、不安になったが、


「安心しなよ!今の所、笹本君は好感度的には、高いし!ちゃんと意識されたら、こっちのもんだし!」


「、、、、はぁ、ほんとアンタって意味分かんない。一目惚れして好きになった私の恋を応援とか、本当馬鹿なんじゃないの」


私はそう言いながら、倉橋さん右手を掴む。倉橋さんは一瞬、驚いた表情をした。


「好きな人の恋を支えながら、付き合えるなんて最高じゃん?」


「、、、、付き合ってる事学校の奴に言わないなら、付き合ってあげる」

「それで、ちゃんと悠との恋を成就させな」


「うん!契約だね!私は青春をしたいから綺野さんと付き合いながら、綺野さんの恋を成就させる」


「そして、私は悠との恋を成就される為にアンタと付き合ってアンタに最高の青春をさせる」


私と倉橋さんはそう言って強くお互いの手を握りしめた。




















これが、私が味わった最高で楽しく嬉しく、だけど辛くなって3年間の日常を送る始まりになったのだ。






















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