好きが叶うおまじない

 本当は教科書忘れたことなんてない。

 それでも、近くに居たくて。仲良くなりたくて。

 まだ友だちじゃない君と――


「お、おはよ!」

「あ、うん」


 そんな気まずそうに、しないでよ。

 笑顔が渇いて、顔を背けた時だった。

 君が落とした消しゴムがケースから飛び出して。

 そこにあたしの苗字が、書かれてたんだ。

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