まさかこのテーマでこんな壮大なスケールの話が描かれるとは、と驚嘆しました。
「一夜の過ち」を軸に据えた作品で、ドラゴンクエストを彷彿とされる「勇者と魔王」による戦いが物語として描かれて行きます。
勇者パーティーの一員だった魔法使いのリーシャ。彼女が書き置いたと思われる遺書を、「私」が読むことでストーリーが紐解かれます。
勇者と共に旅し、恋人として愛し合っていたリーシャ。しかし、無骨な人生を送ってきた勇者には物足りなさも感じていた。
そんなリーシャが同じパーティーにいた戦士アーノルドに相談を持ちかけたことで、事態は思わぬ方向に……
魔法のiらんど企画の「一夜の過ち」というお題。ここから連想されるものと言えば、大概は大人のドロドロとした恋愛話となるでしょう。
基本は男女間の小さなスケールの話になりますが、それがまさかファンタジーとして壮大な波紋を生む物語になるとは。意外性に満ちていてひたすら驚嘆しました。
「世界の半分をやろう」という、魔王(りゅうおう)の有名なセリフ。それがモチーフとして取り入れられているのも思わずニヤリ。
短い中で愛憎の物語や冒険の顛末、そして「私」と名乗っていた存在の意外な正体だと、心に響く要素満載でした。
ファンタジーとしても恋愛ものとしても十二分に楽しい作品で、多くの人にオススメしたいです。