1話

平凡な日常に退屈していた中学2年生の猫萩鈴はいつもとは違う路地裏に寄り道する。すると怪しい外国人に頭を殴られスーツケースに入れられて誘拐されてしまう。危うく誘拐犯に人身売買されてしまうところをたまたま通りかかったアラムという少年が鈴を助けたのだがアラムが鈴を連れて逃げた先は「選ばれたモノ」だけが入ることができる未承認島国国家「マーブル」だった。

日本に直ぐに帰国することができなくなってしまった鈴を見て成り行きとはいえ連れてきてしまったことに責任を感じてアラムは島のトップであるペラペラ島長にお願いしてランドヘルパーのアシスタントとしてアラム達とルームシェアすることに。

マーブルの生活は不安もあったが国籍も性格もバラバラな(サブカル好きのアラム、怒りんぼうだけと優しいジャン、心身ともに美人だが貧乏性なメアリー、引きこもりの着ぐるみを着た科学者J)4人の外国人とのルームシェアや見たこともない街並み、空飛ぶ車など魔法と思わせるような発達した科学技術のあるアイテムなど毎日何が起こるかわからない新鮮さに鈴はワクワクが止まらなかった。同時に言葉(英語もしくは中国語が公用語、鈴は親に習わされて覚えた)や道の綺麗さや水の豊かさなど普通だと思っていた日本の生活が普通ではないことにも鈴は気づき、自分が当たり前だと思って過ごしていた日常は「実はとても恵まれていた」ことを理解した。