夢でもなく現実である

溜不飲

夢でもなく現実である

手を差し出してもらう、少女は言う「一緒にこの街を紹介するよ!」手を取る。この街に入るなり少女が現れる、少女は町を紹介してくれる、この大きな街を。

少女はこの街に詳しく事細かに教えてくれる、私のようないろいろな場所を転々としながら生きる者には友人など無用ではあるが、こういったものも悪くはない。

この様に歓迎してくれる人も少ない、嬉しさの反面疑いも湧いてくる。なぜ私に声を掛けたのか、しかし疑いに反して少女は嬉しそうにこの街を紹介する。

日も暮れ少女に問う。「今日はありがとう。君家はどこだい?よかったら送っていくよ」少女は答える「私の家はこの街だよ今日は楽しかったよ」

少女はそこにはいなかった。

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夢でもなく現実である 溜不飲 @okiiniiri

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