用語説明集(第0章)

○地名

・フィライデン村…物語の舞台。住人が30人しかいない限界集落。神聖ルスタ王国の西の端に位置する。


・神聖ルスタ王国…フィライデン村が存在する王国。中心部となる三大都市、その他無数の街や村で構成される。「ギーマ教」と呼ばれる国教が広く流布しており、その中の伝説人狼会議列伝で語られる人狼の脅威に曝されている。


・王都ハルトシュタット…神聖ルスタ王国の政治の中心。王や貴族が住む最も富める街。本編にはほとんど出てこないが、フィライデン村の住民の何人かは王都出身。五英傑の一人「勇者ゴットハルト」の名前にちなんで名づけられており、彼の思想を受け継ぐ騎士団がある。


・聖都グラウブルク…神聖ルスタ王国の宗教の中心。国教であるギーマ教の総本山である大聖堂が存在する。聖都で3年以上の修行を積んだ者だけが正式な聖職者となれる。言うまでもなく、五英傑の一人「大司祭ズィリック」の名前にちなんで名づけられている。


・学都シュテファニア…神聖ルスタ王国の学問の中心。国立大学をはじめとした数多くの高等学校と研究機関が存在する。五英傑の一人「賢者シュテファン」の名前にちなんで名づけられている。




○ギーマ教

・ギーマ教…神聖ルスタ王国の国教。人狼会議を「神の試練」として広く世界に広めている。経典である《永約聖書》に従い、神の救いを信じて自然の成り行きに任せることを推奨。


・ギーマ教徒…ギーマ教の信者たち。正式なギーマ教徒として認められるためには洗礼が必要。洗礼を受けた証として聖職者から与えられる洗礼名にはある条件があるらしい。


・聖職者…修行の度合いや徳の高さによって、牧師→神父→司祭→大司祭と位が上がっていく。大司祭は教皇のようなもので、“大司祭ズィリック”と呼ばれるただ一人しかいない。聖職者になるための修行中の身の人や、正式に聖職者として認められていない宣教師は、「修道士(ブラザー)」「修道女(シスター)」と呼ぶこともある。5日に1回ミサを行うなどして宣教に勤める。


・《永約聖書》…ギーマ教における経典。人のあるべき理想の姿についての教義や、“人狼会議列伝”の形で、人狼会議の作法なども記されている。


・神の楽園…いわゆる天国。善良で敬虔なギーマ教徒が死後導かれる場所。


・《神の三律法》…ギーマ教において最も尊い徳とされる「善良・正直・信頼」の3つの姿勢のこと。人間が目指すべき魂の境地とされている。


・《三大不徳》…《神の三律法》と対局を成す罪。「邪悪・虚偽・疑心」の3つで、人狼の主な特徴とされる。人狼は嘘つきの裏切り者で、殺されるべきであるという印象をつける。




○人狼会議

・人狼会議…ギーマ教によって定められた、ギーマ教において「悪魔」とされる人狼を排除するための手順。いわゆる人狼ゲームのこと。


・“人狼会議列伝”…《永約聖書》の中で描かれる、世界最古の人狼会議(とされる伝説)。悪魔として描かれる人殺しの人狼を会議によって処刑する神話。《神の三律法》を守って、悪魔=人狼に立ち向かい、人々を勝利へ導く“五英傑”の伝説が記される。


・“五英傑”…最古の人狼会議を勝利へ導いた五人の英雄。村人にとって役に立つ5つの役職の元となる人物たちで、それぞれの役職名はギーマ教としては「“五英傑”の代理人」が正式のもの。


・聖導師マリウス…“五英傑”の一人。毎夜一人を選んで正体を見破る能力を神に授けられた。占い師の元となる人物。


・聖女ゲルダ…“五英傑”の一人。毎夜、前日に処刑された人間の正体を見破り、生存している人狼の人数を把握する能力を神に授けられた。霊媒師の元となる人物。また、聖女ゲルダは「聖なる双子」を生んだ聖母でもある。


・勇者ゴットハルト…“五英傑”の一人。毎夜一人を守護することによって、幾度となく人狼の襲撃から人々を守った。守護者の元となる人物。


・賢者シュテファン…“五英傑”の一人。類まれなる頭脳によって人狼を確定し、処刑を断行した。議長の元となる人物。


・大司祭ズィリック…“五英傑”の一人。信心深い彼は神から《聖なる護り》という能力を授けられ、人狼からの襲撃で全く傷つかなかった。(役職としての)聖職者の元となる人物。また、ギーマ教の聖職者における最高位の名称としても使われる。


・聖なる双子…《永約聖書》において“人狼会議列伝”とは異なる伝説に登場。人狼に双子がいない理由を記した伝説の主人公。これにより双子は必ず人間であるという証明が可能になった。実際に人狼はどれだけ血が繋がっていても、「双子を偽装するために二人で似た外見に化ける」ことはできない。

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