三層コンフリクト法の基本

そろそろ三層コンフリクト法の実際の運用について説明します!



▼手順概要

1. ストーリー決め

2. コンフリクト設計

3. プロット構築

4. 執筆

おおまかにはこうです。



▼ストーリー決め

ストーリーについては、そもそもですが三層コンフリクト法については、変化・成長要素がある物語が向いています。

そこがずれていなければ、およそのストーリーに適用できます。



▼コンフリクト設計

三層コンフリクト法の柱でもある、コンフリクト設計を行います。

自己、他者、世界

この三つの相互競合関係を設計するのです。

さらにこのあと執筆の前に、『テーマ』『ストーリーライン』『どんでん返し』を整理すると完璧です。上級編で触れたいと思います。



▼各層の役割

自己とのコンフリクト:

主人公(たち)の内面にある矛盾。クライマックスまで解決しない、テーマを解決するための鍵であり、最大の障壁です。

作中では基本は変わらないし、この解決が物語のゴール。

常に物語を通してぶち当たり、読者を引き込みます。


他者とのコンフリクト:

主人公を取り巻く様々な脇役やギミックです。

主人公を支えて、悩ませ、苦しませる存在たち。物語の流れを加速させる柱となる存在です。


世界とのコンフリクト:

テーマと重なる部分で、物語最大の問題。

物語の中で変化し、拡張されてもよいものです。



▼プロット構築

プロットについては、特に第何章でこう、とかはありません。

別の作劇法と組み合わせてもいいし、ノリでもいいです。

(ベースは既存作劇法で、窮屈なところをアレンジするなどでも)

本質的に三層コンフリクト法は、『少年漫画的な作劇法』でもあります。

ガチガチに決めておいてもいいし、行き当たりばったりでもなんとかなる、『物語が生まれる力学』を作る手法なのです。

なので、楽しそうなシーンをどんどん並べていけばいいと思います。

揺らぎや悩みや停滞そのものがドラマになります。

強いて言えば、『予定の長さがあれば、それにおさまりそうなカオス具合』で組み立ててください。


無茶苦茶だけど極論『かの少年漫画ドラゴン⚪︎ールと、キング作品やヘッセ作品とかは、作劇力学が本質的に一緒』ってことです。(キャラクター揺らぎ駆動という点で)



▼執筆

ここまでの設計を元に書き進めていきます。

この際、以下のコツがあります。


・キャラの好きなように動かす

・セリフは現実みたいに曖昧に揺らぐ(小説的なセリフにしない)

・無理に話を進めずキャラにまかせる


セオリーとまるで反していますが💦

三層コンフリクト法では、『セリフは葛藤を描く土台』でもあるので、現実の、揺らいだ言葉の積み重ねが効果的なのです。


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