銀の鈴
青城澄
銀の鈴
わたしたちは
とてもちいさいので
かみさまは
わたしたちをあいしてくださいます
わたしたちは
とてもおろかなので
かみさまは
とてもかなしんでくださいます
わたしたちは
とてもさみしいので
かみさまは いつも
すきとおった手を さしのべてくださいます
わたしたちは
ちいさなちいさな
愛の夢の種ですので
かみさまは めでてくださいます
わたしたちが
泣きはらした目をぬぐって
もういちにちの明日を
生きるために
たちあがり あるきだすと
かみさまは
ふるえるほど
よろこんでくださいます
最も近くて
最も遠いところにある
水底の小さな銀の鈴が
ふるえて
ある日突然
世界中が 鳴り響く
わたしたちは すべて
愛の小鳥の卵を秘めた
うつくしい命ですので
かみさまは
ほんとうに深く
わたしたちをあいしてくださいます
銀の鈴 青城澄 @sumuaoki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます