第1話 えっ、タイムアップ?
高校の教室での集団転移に巻き込まれた。
小学校の頃から目立たないように、いじめられないように、気配を小さくして過ごしてきた。
無意識に今もそうしている。
影の薄い僕は、白い空間での加護付与中の神にも放置されている。
当然のごとくクラスメイトの誰一人、僕を気にかけない。
「ステータスボードで
「生前の行いでポイントには差がある、よく考えないと転移後、すぐに詰むぞ」
別の声で、
「割振可能ポイント=SPから移行したポイント×難易度レバレッジ」
って説明が聞こえたから、少しだけ考え事をしてた。
クラスでハブられ続けていた僕のポイントは10000P。
これが多いのかどうかは良く解んない。
全部使っちゃうのが怖いから、100Pは残して9900Pを移行用Pに変換してみた。
難易度レバレッジは以下のようになってた。
イージー 1/2
ノーマル 等倍
ヘル 100倍
ナイトメア 10000倍
ナイトメアをおもしろ半分に選んでみたら、99,000,000になった。
桁が多くてわかんない、えーとイチ、ジュウ...9900万。
バカだなぁ、9900の1万倍なんだから数えなくても簡単だったのに...
ふと、みんなはどれくらいのポイントなんだろう?
まぁ、聞いても何の得にもならないんだけど、なんか気になるんだよね。
聞き耳を立てると......
陽キャの一人が、俺100Pあるぜと言い出すと、取り巻きから僕50P、俺70Pなんて聞こえてくる。
不良は「なんだそんだけか、俺は120Pあったぜ。職業の勇者で100P使っちまったけどな、ガハハハッ」
「おぉ、勇者を取得できたのか、資質もいいんだろうな。
職業には限定数のあるものもある。
勇者などは1つしかない職業だな。
早く選ばないといいものは無くなるぞ」と再び神の声。
いろいろと試していたら、タイムアップで現代に押し戻された。
『割り割られていない割振可能ポイントは、移行用ポイントに戻されます。
また、移行用ポイントからSPへの移行も任意で可能です』
と、頭の中でシステムアナウンスが流れた。
誰もいないクラスに戻された僕。
キョロキョロしてたら、視界の端にさっきまで見ていたステータスボードがあった。
どうやら途中まで実施していたキャラクリ、そのまま引き継いで戻ったみたいだ。
でも何か変だな?
あっ、移行用に割り振った9900Pが割振可能Pと同じ9900万になってる。
ポイントが戻されるって、こうゆうことか...
こんなに増えたらボーナスでチートも可能なんだけどいいのかな?
使いきれなかったポイントは移行用ポイントに戻るってことなら、気楽に100万ポイントを...
まぁいいや。
無理したくないから、ポイントが減るのを承知で、イージーを選ぶか......
って暫定でイージーになってるのか。
レバレッジが選択されてなかったら、割振可能Pは計算できないよね。
あれっ?でも何か変?
確認したら、難易度レバレッジは以下のようになってた。
イージー 等倍 ※基本的な目に見える変化はない。
ノーマル 等倍 ※少数のダンジョンが追加されます。
ヘル 100倍 ※大量のダンジョンが追加されます、また生活環境が大幅に悪化します。
ナイトメア 10000倍 ※選択禁止。世界がディストピア化、いたるところにでモンスターが徘徊するようになります。
これはイージー以外選べないよ。
いつまでも
誰かに見つかる前にウチに帰ろう。
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