プロローグ:衝動

第2話

━2005 5月14日

 苦しい……なぜ……どうして今頃になって……ぶりかえってくるんだろう……

男は心の中で自分に問い掛けた。二年前に終わりを告げた儚い恋の末路。マユ……


頭の中に駆け巡る想い出と笑顔。そして、最後のメール……

 どうしても忘れる事ができない……男の心に蘇った後悔を忘れるためには悩みを吐き出すしかない。男は決意を固めた。しかし、誰に話べきかは決めていなかった。急な衝動にかられたからだ。

そんな悩める男の名前はヨル。


平日の━pm23:49

遅い時間に誰が話を聞いてくれるんだろうか。「今度な」そんな一言で片付けられるに違いない。

案の定だった。二人目に電話をかけても 

「へぇ~、君の色恋話には興味あるねぇ~でっ、どんな娘なんよ」と言われる。小ばかにされているから適当にごまかして電話を切った。


この話を誰に託そうか……再び悩み始めた。テレビの電源をいれベットに横になり何気にスポーツニュースを見ている。

さて、誰に…言うかだ…。ヨルは苦しい衝動を早く口からだしたかった。


♪♪♪♪~

携帯のメールの着信音が鳴り響く。枕元に置いていた携帯を手にとり受信されたメールを見た。友達のトラオからだった。


∥今何してる?暇?∥


∥暇だよ。暇ならちょうどいい  ちょっと出て来てくれる?∥


とヨルはすぐにメールを返した。


遅い時間に他をあたることはできない。こうしてヨルはトラオに打ち明ける決意を決めた。

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