第25話

…1か月たった、ホワイトデーは、日曜なので、初七日にあてられた。


 その日、朝早く、かよが果物をもって、理々の家を訪ねて来た。


理々が、かよに飲み物を出そうとした、その時だった。


理々と、かよと、父に、不思議な事が起こった。


「聞こえる?」


兄の声。


2階からだった。


「理々、かよ、父さん、ごめん…ありがとう。」


はっきり聞こえた。


きっと、今まで 12秒ほど、時間がずれていたのだ。


そのはざまに…

兄という人が、

言葉で、プレゼントのお返しをくれたのだった。














――――…


…以前渡された、理々からの手紙。

それは、

通帳や、かよから貰った物、ケータイのSDカードを入れていた、クローゼットの引き出しに、今も

ひっそりと眠っている。

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12秒後のさようなら 月白ゆきの @meruka770

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