第20話

理々は、家の近くのバス停に立っていた。


「お兄ちゃんを、見つけなきゃ」


(でも、何処へ?)


兄は、ひと気のない処に行くと、言っていた。


バスがきた。


しかし、理々は、乗るのを止めた。


「違う…」

理々は、携帯を取り出した。

「もしもし?かよちゃん?

お兄ちゃん…あ、会った?

そこに、居ないの?


うん。


うん、


あ、うん。


あのね、その後、どっちの方向に行ったの?」


予測通り、かよに会っていた兄。

理々は、バスの時刻表を見た。

「あのバスに乗んなくて良かった。

きっと、あそこに行くんだ。」



その時、かよから、また電話がかかってきた。

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