第17話
「で、12秒は、俺の中の定数…
定まった数字だと考えてみろ。」
「うん。」
「以前、俺は、小学生の子供の体を借りていた。
そこから、この体に移りたかった。
雷を合図に、0秒と数えて、その瞬間、呪いをかける。そして、俺の魂が、肉体から離れる。」
「うん。」
「単純計算してみる。
お前の兄と、ぬけがらの小学生との間は、直線上、6mあった。兄は車にひかれたが、車と兄との計算は、面倒なので、抜かして考えような。」
「うん。」
「定数12(秒)、着きたい肉体の距離まで6(m)、よって 俺の魂は、秒速0.5(m/s)で、進む。」
「…ねぇ・・・。」
「ん?」
「間違って、狙ってない人の中に、のり移っちゃたこと、ある?」
「あるよ。昔な。
よく、覚えていないけれど…気付いたら、周りが人だかりで、失敗した、と 思った。
目立つことは避けたかったからな。」
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