第14話
「あれ?お兄ちゃん早いね…」
良太は、妹を睨んだ。
「お前こそ」
「私は、インフルエンザ、今頃クラスで流行って…。早退させられた。
…ねえ、お兄ちゃん、
どうしても、何も思い出せないの?」
「……。」
「本当は、何か思い出してい…」
「知らねえよ。
そんなに殴られたいかよ。」
妹は黙った。
―泣くか?
…そう、思ったら、
意外、妹は兄の腹を蹴った。
「っ痛ーー!!」
兄は、腹を押さえた。
「いいかげんにしてよね!!
あたしも、かよちゃんも、お父さんも 皆 お兄ちゃんのこと心配してるのに!!」
―余計なお世話だ。―
そう思ったが、妹が抱きついてきて、わんわん泣かれた。
なんともいえない気持ち…
複雑だった。
兄は、妹の両肩をつかんだ。
「ばか、お兄ちゃん、ふえぇ…」
良太は、…
秘密を…
話そうと…
思った。
『罪』
その言葉が、頭をよぎった。
「俺は、お前の兄じゃない。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます