第14話

スカイは、パープルの目から、自分の目をそらした。

「どうした。

やっぱり、見たのは すげえお宝のようだな。」


他の太った男が、

「リジェイラ、お宝って、すげえ美術品か?」

「ああ、こいつの青い目から見ると、今まで発見されなかった、お宝のありかが分かるんだよ。

なあ、スカイ。」


スカイは、そのリジェイラという男に

「何・・・だって?

ぼくの事、知ってるの?」


「だって、お前の両親は 俺の昔の同僚だったから。」

「同僚…?楽器職人の?工房の?」

スカイは、無表情だが、驚いているのだろう。


「俺は、その工房で11年働いてる。

…ふんっ、

・・・で、見ろ。この目。

ある日から、ブルーだった俺の目は、病気でパープルに変わっていった。

お前なら知っているだろうけど、

俺たちは、目の色が変わるとなると、自分達の能力がなくなっていく。


グリーンは医療系、

ブラウンは文学系、

ブラックは理科学系、

そしてブルーは芸術系。


俺は、病気が治せないまま、職を失った。

そして、“シャイニーシティー”から追い出された。


そこで拾ってくれたのが、

この集団、『ポイズンベアーズ』だ。」


「聞いた事ある…窃盗団…でしょう?」


「いいこと教えてやるよ。

友達なんて、たいしたことねえんだ。


お前の親父もお袋も、クソだった。


結構、仲イイと思ってたんだけど、働けなくなって、俺が金に困っても、そのクソふたりは援助ひとつしなかった。


簡単に見放した。


落ち目の俺に関わりたくなかったようでさ。」


その時

スカイは、

「父さんも母さんも病気だったよ…」


そう言った。

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