第7話 頼りになる先輩

カオリ先輩はドア越しに、

「ほら、もういなくなったよ。安心して鍵を開けて」と言った。

僕は恐る恐る鍵を開けて、ドアを開けた。

優しいカオリ先輩がそこにいた。

「あなたも酷い目にあったわね。あのストーカー廃墟がどうのこうのいっていたけどなんかあったの?」

僕はかくかくしかじか今まであったことを話した。

真剣にカオリ先輩は話を聞いてくれて、その上で

「でもあなたは幽霊と祈祷師どっちとお付き合いするかと聞かれたらどうする?」と聞いてきた。僕は、

「・・・どちらもないです」といいカオリ先輩は食い気味に、

「でしょー」っていった。カオリ先輩は、

「机の上にお皿だけのっているけど、何か食べたの?」と聞かれ、

「幽霊の作ったクッキーがあったのだけど、いつの間にかなくなった」と答えた。

それにはカオリ先輩も身震いし、

「たぬきやきつねじゃあるまいし、化かされたのかしらね。どちらにしてもそんな怪しげなもの口にすべきじゃないわ」と言った。そして、

「ほら、差し入れ。まんじゅうにせんべい。遊びもいいけど勉強もがんばってね。今も未来もあの勉強は必要ないと思えると思うけど、努力する事に意義があるの。簡単に手に入る幸せなんてはかないものなんだから」と言ってカオリ先輩は励ましてくれて僕の家を去っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る