とても目の付け所の鋭い異色作でした。知的お笑いが楽しめました。
パソコンもスマホも壊れた躑躅森(読めん)が、夜な夜な佐藤に残す誤字だらけのハチャメチャなメモ。本人は苦労して書いているのでしょうが、解読する佐藤の頭はもうパンク状態です。佐藤もよせばいいのに、間違った漢字が面白くて(多分)、いろいろ返事を書いてしまい、ますますメモはあらぬ方向へ。。
躑躅森、お前ほんとに大学主席で出たのか? と頭をひねるばかりですが、最終話でその理由が明かされます。
それにしても、誤字や変換ミスってどうして面白いのでしょうか。
前に、とある方が、「ものまねは、似ていないのが面白いのだ。似ていることが面白いのであれば、写真が一番面白いはずだ」とおっしゃっていたのを思い出しました。
そうなんです、同じじゃないのは明らかなんですが、だけど意味合いが全然違うところが面白いんです。間違った先の字が面白ければなおさらですね。「お憑かれ様です」とかw
短いけれど、結構読み進むの大変です。
だけどお勧めですよ。
新感覚の読書体験を供してくれる。そんな唯一無二な個性を持つ作品です。
本編は主人公の佐藤と、『躑躅森』という後輩との文書でのやり取りによって構成されています。
しかし躑躅森がケータイを紛失したために手書きでメッセージを残すことに。
だが、その文章はあまりにも「ヤバい」代物となっていた。
パソコンやスマホでの漢字の誤変換がとても可愛い物に見えるほど、圧倒的な誤字脱字の嵐が発生してしまう。
手書きであるがために、通常は出現しないレベルの誤字までが登場し、佐藤の認識を激しく揺さぶることに。
「〒スト」とは一体何か。「ヌヶヅュー八の返校」とは一体何か。
本作はそんな躑躅森のヤバ過ぎる誤字脱字の文章のインパクトと、それを必死に解読していこうとする佐藤の四苦八苦ぶりがとても楽しい作品です。
書かれている文字をそのまま解釈しようとするから、「郵便局のストライキか」とあらぬイメージが出現することも。
他の作品では絶対に得られない読み応えと、何度もクククと笑えてしまう場面の連続。 そして最後に明かされる意外な真相。
独自の味わいやクオリティに満ち満ちた、まさに「新感覚」と呼びたい作品でした。