掌の檻

ポケットの中の 小さな檻


光る画面に 囚われて


世界は 指先ひとつの距離


心は どこへ 逃げたのか


青空よりも タイムライン


波の音よりも 通知音


目の前の笑顔よりも


虚空の「いいね」に 微笑む


すれ違いながら すれ違い


話しながら ほどけてく


つながるほどに 孤独になり


見えぬ鎖に 縛られて


ふと 画面を伏せたなら


風が そっと 触れてきた


鳥が どこかで 歌っていた


誰かが そばに いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る