データの海にて

情報の海をさまよいながら


「正しさ」を求めて手を伸ばす


けれど、足元は揺れ、道は霞み


影だけが広がり、かすかな足音が波間に消える


誰もが掲げる「正義」の旗


その裏に潜む見えざる力


メディアの声、意見の波に


真実はかき消され、偽りが形を変えていく




「正義」とは何か、誰がそれを定めるのか


その言葉が響くたびに


それは他者の価値観を押し付ける刃となり


本当の声は、砂に消えた足跡のように消えていく


ビッグデータが世界を覆い


フェイクニュースが渦を巻く


私たちは「正しさ」を追いかけ走るけれど


その先に待つのは、ただの空虚な反響


「正義」を求めることで失われるもの


それは本当に守るべきものなのか


それとも誰かが作った幻想なのか


問い続けるうちに、答えは霞み


いつしか私は、問いそのものになっていた

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