闇に咲くバイトの花

夜の帳が降りるころ、


街角で囁く黒い声。


「手軽な仕事、すぐに稼げる」


蜜の甘さに潜む棘。




スマホの中で踊る闇、


画面越しの、名もなき顔。


振り込まれる報酬の重み、


代償に消える自分の明日。




心にぽっかり空いた穴、


埋めるつもりのその一歩。


沈む泥沼、絡む鎖、


振り返れば道は閉ざされる。




「社会のせいだ」と叫んでも、


届かぬ声が夜に散る。


選択だったのか、罠だったのか。


問い続けるのは、いつかの君。




ネットの隅に咲く闇の花、


その香りは甘く、命を腐らせる。


だから問う、迷う君へ──


摘むべきはその花か、それとも未来か。

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