乳輪大車輪

@kakukaku007

第1話 「突然変異の朝食」

山田太郎は、その朝いつものように目覚めた。しかし、何かが違った。


枕元に置いてあったはずの目覚まし時計が、なぜかトースターになっていた。しかも、そのトースターは太郎に向かって話しかけてきた。


「おはようございます、山田さん。今朝のあなたの予定は、8時から乳首体操、9時からニップルストレッチ、10時から...」


「えっ!?なんで目覚まし時計がトースターになってるんだ!?しかも、なんでそんなスケジュール!?」


太郎が混乱していると、今度は壁から大量の牛乳が噴き出してきた。しかし、その牛乳は重力を無視して天井を這うように流れ、奇妙な文字を形作り始めた。


『本日より、あなたは乳輪省の特別調査官に任命されました』


「乳輪省!?そんな役所あるわけない!」


そう叫んだ瞬間、太郎の部屋の床が突然、巨大な乳首に変化した。その柔らかい床面は、ゆっくりとうねり始め、太郎を中心に回転を始めた。


「たーすーけーてー!」


しかし、誰も太郎の叫びを聞いていなかった。なぜなら、この瞬間、東京都内の全ての建物の屋上に、巨大な乳輪が出現し始めていたからだ。人々は空を見上げ、口をぽかんと開けたまま、この前代未聞の光景を呆然と見つめていた。


そして太郎は、乳首と化した床に吸い込まれるように、未知の空間へと落ちていった。彼はまだ知らなかった。これが、人類と乳輪の壮大な戦いの始まりに過ぎないことを...。


(続く)

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