思わぬひねりに、強く想像力をかきたてられる作品でした。
主人公は年老いて仕事もなく、まともに住める家もない女性。
そんな女性がコインランドリーにて「ある洗濯機」を見つける。
それは中に入ることで「なりたい自分」になれるという変身洗濯機であり、その中に入れば午前零時までの間は好きな姿になれるという。
そうして若い姿に変身し、無事に仕事も得られるのだが……。
いわゆる「シンデレラ」な話を洗濯機で実現したSF(すこしふしぎ)な話かと思ったら、最終的に「別の童話」を連想させられる展開に。
グリムやアンデルセンの童話の世界はずっと過去のものですが、それでも現代にも通ずる要素は強く存在している。
「貧困」という現実的な社会問題を「童話」や「SF(すこしふしぎ)」な要素で描き切った、とても考えさせられるストーリーでした。