第38話  美咲さんだってメインヒロインですよ〜君の戦法はなんだ?

「美咲さんだってメインヒロインですよ」


 鈴奈がいきなりそんなことを言ってきた。

 当の美咲ちゃんは面倒くさげな表情を浮かべた。


「私を巻き込む気なの? 鈴奈ちゃんじゃないんだから」


「美咲さんも兄様のハーレムに入りましょうよ」


 鈴奈は美咲ちゃんをゆする。

 それに対して、美咲ちゃんは鈴奈をジト目で見つめていた。


「鈴奈ちゃん、私は歩夢先輩を好きになった私は好きなんです」


「じゃあいいじゃないですか、美咲さん」


 鈴奈は首を傾げる。


「私は自分を1番に愛してくれると肌感で感じていない人と結婚生活を自分が送れるとは思えないんです」


 美咲ちゃんは俺の目をじっと見つめている。


「歩夢先輩は私に1番に好意を抱いているわけじゃありません」


 美咲ちゃんは1番というところを強調した。


「私はですね、恋愛の勝負には負けたんです、でも私の人生が敗北なわけじゃないんです」


 目をキリッとさせる美咲ちゃん。

 何か覚悟が決まったような目だった。 


「素晴らしいですっ!」

 鈴奈は「はっ!」と言いながら口を両手で覆っている。

 目をうるうるともさせている。

 どうやら、鈴奈は美咲ちゃんの言葉に感銘を受けたようだった。


「次の恋はどうするんですかっ! 美咲さん」


「あのぅー、なんとかしてくれません、めぐり先輩」


 美咲ちゃんが面倒くさげに目をめぐりに流している。


「はいはーい、鈴奈ちゃん、おいで」 


「姉様にお呼ばれですぅー」


 鈴奈がめぐりの元に行く。

 互いに抱きしめ合い、2人とも「ぎゅう」って言いあっている。

 美咲ちゃんは「はぁー」とため息をついてる。


「美咲ちゃん、君はどうするつもりなの?」


 美咲ちゃんは目をぱちぱちとさせてる。

 めぐりの問いに、美咲ちゃんはほんの少しだけ口元を緩めた。


「私は、戦法を変えるだけです」


「君の戦法は何? バブみはどうしたの?」


「歩夢先輩の1番になるじゃなくて、私を1番にしてくれる相手を見極めるってことです」


 美咲ちゃんはそう言い切った。

 彼女の笑顔には、自信と覚悟が滲んでいた。


「私こそがメインヒロインですよ。自分の人生のね」 


 美咲ちゃんのその一言に、鈴奈が感動のあまり「かっこいいっ……!」と呟いていた。

 やっぱり美咲ちゃんは、ぶれない女の子だ。

 初めて会った時からずっとそうだ。


「美咲ちゃんにはやっぱり勝った気がしないよぉ〜」


 めぐりはそう言って、クスッと笑う。


「ところで、めぐり先輩は自分のことは好きですか?」 


「好きな面もあるし、そうじゃないところもあるかなぁ」


 そんなめぐりに美咲ちゃんはニコッとする。


「私は基本全部好きですね、セルフラブですね」 


 美咲ちゃんは人差し指を立てた。


「心の栄養って結局のところ、自分で自分を愛しるかってことだと思うんです、だから自分を褒めるとかも有効で」


「自分で自分を褒めるとか大事そうだもんね」


「私は今回の恋を通じて、さらに自分で自分を愛することを実践できました、だから人を本気で好きになれたこと自体はありがたいんです」


 美咲ちゃんはほんわかと笑う。


「私は今、自分をもっと好きになりたいって思ってます。次の恋というより、もっと自分を恋をしたいと思っています」


「美咲ちゃん大人〜」


 めぐりは驚いていた。

 一方、鈴奈は「美咲さん、大人ですっ!」と目をうるうるさせながらも全力でめぐりに甘えていた。

 逆に鈴奈、すごいな。

 大人でいる気ゼロかよっ。

 俺たちはただ美咲ちゃんの大人ぶりに驚くことしかできなかった。

 俺も見習って、鏡越しに自分に対して愛してるとか、大好きとかセルフラブを今日から実践しようと思うのであった。


◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆


ここまでお読みいただきありがとうございます。


というわけで、


美咲ちゃんメインの回でした。


さて、


もし、


めぐりちゃん、かわえぇ


鈴奈ちゃん面白い


めぐりちゃん、可愛い


と思ってくださいましたら、


♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。


レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。


次回は貫徹さんのお話です。またしても真面目要素が強い話です。

もちろん、おふざけっぽくもあります。

貫徹さんですから。


引き続きお楽しみくださいませ。


次回の公開日は6月5日6時頃です。

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