第12話 めぐりVS美咲 ついに決着
「答えはどっちですか? 歩夢先輩!」
「歩夢くん、私か美咲ちゃんが選んで!」
美咲ちゃんとめぐりが俺に迫ってきた。
申し訳ないが割と最初から答えは決まっていた。
「悪い、俺はめぐりの考え方が好きなんだ」
めぐりが「はっ」といって、両手で口を押さえる。
泣いてはないが、うるうるとしてめぐりは今にも泣きそうだ。
めぐりのこういう顔を見れると男冥利に尽きる。
美咲ちゃんがふっと力ない笑顔を見せる。
「知ってましたよ、私の負けってところですかね?」
悲しそうな、それと同時に納得したような様子を美咲ちゃんは見せる。
俺はこんな魅力的な子に何で好かれたかが本当にわからなかった。
しかし、それ以上にめぐりの俺への一貫した気持ちも無下にはできなかった。
「君みたいな魅力的な子であればすぐに彼氏ぐらい見つかるよ、むしろ引くて数多だよ」
「バブみって結構いい戦略だと思ったんですけどね」
美咲ちゃんは目をつむって、べっと舌を出していた。
「めぐり先輩と歩夢先輩の関係は応援します。でも、好き勝手にさせていただきます。私は粘れるだけ粘らせていただきます、新しい恋を見つけるのも大変なんです」
美咲ちゃんは俺に笑顔を見せた。
無理して作っているように見える。
何か言いたいが、俺は今どんな言葉をかけるべきかが思いつかない。
「負ける可能性が100%だとわかっていたからかえって燃えましたし、楽しかったですよ」
美咲ちゃんは今度はしっかり笑っていた。
ウィンクをして、人差し指を唇の脇に立てる余裕さえも見られる。
美咲ちゃんは強い子だなぁと思う。
「こんな素敵な気持ちを教えてくれてありがとうございます、歩夢先輩」
美咲ちゃんはぺこりと綺麗なお辞儀を見せた。
「めぐり先輩、これで勝ったと思わないでくださいよ!」
美咲ちゃんがにひっと笑う。
その顔は小悪魔にも見えた。
まだまだなんだか仕掛けそうな気がする。
「今日のところはお二人を邪魔したくないので私はこれで失礼します」
美咲ちゃんはそう告げると、颯爽と走り去っていった。
少し離れた位置でピタッと止まると、ひらひらと元気よく手を振ってきた。
俺も返事で手をひらひらと美咲ちゃんに見えるように大きく振る。
横でめぐりは小さく手を振っている。
結構申し訳なさそうな顔をしていた。
「どうしたんだ? めぐり」
俺はめぐりのことが少し心配になった。
堂々とすればいいのに何が気になるんだろうか。
「歩夢くんは私にバブみに感じておぎゃってくれるわけじゃないし、どうしてもできないの」
「気にするなって」
めぐりは納得していないといった感じだ。
「私、美咲ちゃんに勝った気がしないよ!」
「俺はめぐりのこと好きだって」
俺がそういっても、めぐりがふるふると首を横に振った。
告白するだけじゃダメなのか?
俺は気を利かせたことを言おうとしても思いつかない。
「私のどういう考えが好きなの? 私は美咲ちゃんほど考えてないよっ!」
何だろう。
俺もそこは言語化ができない。
バブみとかではないというのがわかるだけだ。
仕方ないから俺が今、思ってる精一杯のことを言うことにする。
「めぐりは俺を心を開かせてくれた、めぐりの前だけでは弱音も愚痴も吐いていい、絶対に受け止めてもらえる、そう思えた。それだけじゃあダメか?」
めぐりは「うーん」と唸る。
「めぐりの思ってることを教えてくれ」
「まだまだ立派なお母さんになれる気がしないのっ! 私は美咲ちゃんぐらいしっかり考えてなくて、ふわっとしてるから心配なのっ!」
めぐりは何だか必死だった。
「俺の母さんみたいにめぐりはなろうとしなくていいよ」
「歩夢くんはマザコン直したいって言ったよ。私はその協力がしたいのっ!」
それを聞いて、今度は俺が笑った。
マザコンか。
自分の弱みそのものでそれを考えるだけでも情けない自分が嫌になる。
「確かに母さんなら何でもできると思って、だらしなくなったりとかつい甘えちゃうんだ」
「それ自体はいいと思うけどなぁ、お母さんに甘えたいのは自然だよ」
めぐりはほんわかした微笑みを見せる。
さらっとお母さんっぽいことができてると思う。
でもなんとなく言うべきでない気がした。
「俺は自立した人間になりたいんだ、あんなに苦労してる母さんを楽させたいんだ」
「歩夢くんが頑張りすぎちゃう理由はそれもあるんだよね」
めぐりがうんうんと頷く。
「俺は母さんに比べたら大したことないよ、母さんを見てたらこうなるってば」
「休むことも仕事なんだけどね、難しいよね」
めぐりが悲しそうに首を傾げる。
何だか申し訳ない。
休み方を学ぼうと言われているのにまだまだ休むことは苦手なんだ。
「私、いいお母さんってどうやったらなれるかもっと考えてみるね」
「俺は十分だと思うけど、めぐりが納得するまで付き合うよ」
「私、これからもママ頑張るね」
めぐりはぐっと両手で拳を作り、胸の前で上下にさせる。
こう言うところは子供っぽくてめぐりは可愛い。
「俺は頑張っちゃダメなのに、めぐりは頑張っちゃうのかよ」
めぐりは心底不思議そうな顔をする。
「私、歩夢くんのママになる以外、今まで本気で頑張ったことないもん」
「そうなのか」
めぐりが自分は頑張るの苦手なのとよく言っている思い出す。
やはり天才肌なのだろうか。
頑張ることが必ずしも素晴らしいわけじゃないと励ましたかったが、俺が言っても説得力皆無なので、言わないことにする。
「これからも俺のママやってくれ、頼んだわ」
「ありがとう、歩夢くん、好きにやらせてもらうね」
めぐりは幸せそうな笑顔を見せると、俺をぎゅっと抱きしめた。
この抱擁に強烈な母性を覚える。
着実にめぐりはママっぽくなってると言いたかったが、言ってはいけないと思い、口をつぐむのだった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
というわけで、第1部 完です。
もし、
美咲ちゃん、切ないなぁ、でもすっごくかわいいです
めぐりちゃん可愛い
二人とも可愛い
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回からは第2部です。
内容はというと、義理の妹が登場します(OP枕見てたら、妹、ということは…笑。って感じなとんでもねぇやつです、なんかいろいろ、えろえろ、えろうすんません。でもですね、私はすっごく好きですよ、すっごくかわいいですし笑)
公開日は5月10日6時頃です。ほぼ同時期に可愛いイラストも公開します。
ぜひぜひお楽しみに!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます