リモートロイド
Hogeko
第1話
アンドロイドは工場・農場・小売店、国内のあらゆる場所で働いている。彼らは自立ロボットでは無い、人間が遠隔操縦している。リモートコントロールされたアンドロイド。
通称「リモートロイド」
2040年、東アジアの二芯国は新たな法律を制定した。
「労働移動禁止法」
労働に関する人体の移動を禁止する法律である。これにより満員電車や渋滞に巻き込まれることなく仕事をすることが可能になり、移動に要する時間も必要なくなった。この法律を施行する上での基盤技術が、リモートロイドの運用開始。
それまでも、事務仕事はオンラインで可能だった。しかし、工場などの物を直接扱う作業は人間がやらなければならなかった。これをオンライン化する試みを10年前に開始した。遠隔操縦可能なロボットの開発だ。開発を委託されたのは自動車メーカーだった。選定理由はモビリティの大変革が起こることが想定されたことだ。オンライン化が可能になると自動車の必要性が低下する。国内産業を守りつつ新たな挑戦をするための策であった。それまで試作を行っていた人型ロボットを改造し開発を進めていった。実験フェーズを乗り越え、実用段階に入った。このタイミングで全国に展開し、運用を開始した。
人々は自宅にあるコントローラーを頭に装備し、作業場所の機体に接続する。映像、音声、触覚は脳に直接送られてくる。こちらからの制御命令も脳波から直接、リモートロイドに送信される。自分の分身として運転できるのだ。
リモートロイドの頭部には操縦者の顔が映し出されている。他機体の識別を可能とする工夫だ。それと、体表面に個人の趣味で、様々な衣装の映像を映し出すことを可能にしている。
また、これとは別に、機体開発は厳格な条件が設定された。それは、人間と同じ大きさであること。なんらかの理由でオンライン操縦が出来なくなった場合でも、人間が現地で作業することを可能とするためである。
障害が発生しても人力を使うことで社会運転を止めない方策であった。
(この物語はフィクションです。実在する人物や団体などとは関係ありません)
リモートロイド Hogeko @Hogero
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