廃都グラナディスへの旅路

 王の命を受け、俺たちは《廃都グラナディス》へ向かう準備を整えた。王都の城門を抜け、街道へと足を踏み出す。


「これから先、何が待っているか分からないわね……。」


 アリシアが馬の手綱を握りながら、険しい表情で言う。


「魔族の巣窟か……どうやら俺たちは、とんでもない戦場に向かうことになりそうだ。」


 レオンが肩をすくめるが、その目には決意が宿っていた。


「でも、ただの調査じゃないのよね?」


 ミラが王の言葉を思い返すように呟いた。


「そうだ。魔族の討伐も任務に含まれている。何が潜んでいるか分からないが、王国は俺たちを信用してくれた。やるしかない。」


 俺はそう言って拳を握る。王都から離れ、道は徐々に荒れたものになっていく。森を抜け、岩がちの地形を越えていくうちに、廃都グラナディスの影が遠くに見えてきた。


「……見えてきたな。」


 遠くに広がる灰色の廃墟。かつて栄華を誇った都市の名残が、無残な姿でそこにあった。


「思ったより荒廃してる……。」


 アリシアが息をのむ。崩れた建物の残骸が並び、空はどこか不気味な曇り空に覆われている。


「ここに本当に魔族が巣くっているのか?」


 レオンが呟いたその時——


 遠くから低いうなり声が響いた。


「……どうやら、歓迎されているようね。」


 ミラが呪文の詠唱を始める。俺たちは武器を構え、廃都グラナディスへと足を踏み入れた。

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