　依頼を受けた俺たちは、古代遺跡へと向かうべく準備を整え、翌朝ギルドを出発した。

「これが遺跡か……思ったよりも大きいな。」

　目の前に広がるのは、風化した石造りの建物群。崩れた柱や割れた壁がその歴史の長さを物語っている。遺跡全体が淡い青い光を帯び、不気味な雰囲気を醸し出していた。

「気をつけて進みましょう。遺跡には魔物が潜んでいる可能性が高いわ。」

　アリシアが鋭い目で周囲を警戒しながら言った。レオンとミラも緊張した様子で頷く。

「よし、まずは入り口を確認しよう。」

　俺たちは慎重に遺跡の入り口へと近づいた。大きな石扉が半開きになっており、その隙間から冷たい空気が漏れ出していた。

「この奥か……入るぞ。」

　俺が先頭に立ち、中へと足を踏み入れる。中は予想通り薄暗く、壁に沿ってかすかに光る青い文字が刻まれていた。

「これは……古代語？」

　ミラが興味深げに文字をなぞる。

「読めるのか？」

「うーん、全部じゃないけど……『封印』って単語が含まれているわ。」

「封印、ね……ますます慎重に進んだ方がよさそうだな。」

　その時——奥から低い唸り声が聞こえた。

「来るぞ……！」

　壁の影から、赤く光る眼を持った魔物が姿を現した。それは巨大な石像のような体躯を持つゴーレムだった。

「ゴーレムか……しかも普通のじゃなさそうだ。」

　アリシアが剣を構え、俺も拳を握りしめる。ミラとレオンもそれぞれ魔法と短剣を準備した。

「いくぞ、全員、連携を意識しろ！」

　俺たちは初めての遺跡探索にして、未知の強敵との戦闘に突入した。

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