ギルドへの帰還と評価

 依頼を無事にこなした俺たちは、森を抜けてギルドへと戻る道を歩いていた。


「いやー、思ったよりもスムーズにいったね!」


 ミラが満面の笑みでそう言いながら、嬉しそうに飛び跳ねる。レオンも安堵した表情を浮かべていた。


「オオカミが七匹もいたのに、ほぼ無傷で倒せるとは……これならもっと上のランクの依頼も狙えるかも。」


「お前らの連携が良かったおかげだな。」俺は軽く肩をすくめて言った。


 アリシアは腕を組みながら静かに頷く。


「確かに、連携は悪くなかった。でも、戦闘の動きにはまだ改善の余地があるわ。特にレオン、間合いの取り方をもっと意識するといい。」


「う、うん、分かった……!」


 そんな話をしながらギルドに戻ると、俺たちの姿を見たギルドの職員が微笑みながら迎えた。


「お帰りなさい。依頼の達成、おめでとうございます。」


 受付カウンターへ向かい、俺たちは討伐したオオカミの証拠を提出する。職員が確認し、頷いた。


「確かに討伐確認が取れました。では、報酬をお渡しします。」


 机の上に置かれた袋を手に取ると、程よい重みがあった。依頼の成功報酬だ。


「やったね! これでご飯が豪華にできる!」


 ミラは満足げに報酬を手にし、レオンも安心したように笑った。


「それと……今回の戦闘で、皆さんの実力を確認しました。特に陽一さん、あなたの戦闘能力は通常の新人とは比較にならないほど優れています。」


 職員の言葉にギルド内の冒険者たちがざわめいた。


「やっぱりな……あの新人、普通じゃないと思ったんだよ。」


「Sランクの試験であれだけの力を見せたんだから、当然だろう。」


 アリシアが俺の横で苦笑する。


「これで完全にギルドでも噂になるわね。」


「まあ……仕方ないか。」俺はため息をついた。


 こうして、俺たちの初めての依頼は成功裏に終わり、俺の名もまたギルド内で広まり始めることとなった。

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