第26話 離婚、そして、結婚

後日、ヘンリー・スコット・ジュニアは、ミセス・ジェリーに離婚話を打ち明ける。ミセス・ジェリーは、泣きくれて、

「あなたと離婚は、したくない。どうか、私の旦那さんで居てちょうだい。」

と懇願するも、ヘンリー・スコット・ジュニアは、

「覆水盆に返らずだ。俺は、もう、きみの身勝手さには我慢ができない。それに、今は、大切な新しいパートナーがいる。」

と言うことを申し出る。

ミセス・ジェリーは、落胆して、エクワイアの営業を一週間休みにした。寝込んでしまったのだ。


やがて、ヘンリー・スコット・ジュニアと、ミセス・ジェリーの離婚が、正式に決まった。慰謝料は、1000万円で、エクワイアの闇仕事の一回分の報酬でいいということになった。


ある日の夜、Hは、エクワイアの仕事を終えて、ロブノール湖畔のテントに帰ってくる。テントには、マリーが待っている。Hは、手に花束を持っていた。マリーは、なんだかうきうきしているHの行動に、不思議がる。

「あなた、どうしたの?花束を持ってきて。」

「マリーよ、お願いがある。」

「なあに。」

「俺と、結婚してくれ。」

マリーは、差し出された花束に、感激の情を隠せなかった。

「ええ。喜んで。」

「一緒に暮らして生きていこう。」

「あなたとなら、何処までもついていきますわ。」

「マリー、俺は、君を幸せにする。」

「もう、十分幸せよ。」

Hとマリーは、晩御飯を食べた。そして、Hは、その夜、マリーを抱いた。


後日、エクワイアのメンバーたちで、街の教会で、Hとマリーの結婚式が行われた。

ミセス・ジェリーも、複雑な心境で参加する。しかし、エクワイアの経営者として、Hの前では毅然とした態度を見せていた。

「おめでとう。Hよ。マリーと末永くね。」

こういうのが精いっぱいであった。

「ありがとうございます。あなたとは、いろいろあったけど、今後、俺は、マリーを幸せにするよ。」


Hと、マリーは結婚して、二人は、テント生活をすることになった。

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