第17話 ロブ・ノール湖で釣り
あるとき、Hは、コールマンに、今度のエクワイアの休日に、ロブ・ノール湖で釣りをしないかと提案する。コールマンは、嬉しそうに、ぜひ一度やろうと言った。
休日になった。Hとコールマンは、釣り具を持って、テントを出て、ロブ・ノール湖に向かった。備え付けのボートに、二人して乗って、湖の中心まで、Hが、オールで漕いで行く。水面は、穏やかで、霧がかかり、森が取り囲んでいる。Hは、釣り糸を垂らして、魚がヒットするまで待つ。コールマンも習った。
そして、数分後、コールマンが、ヒットする。釣り上げたのは、ヘラブナだった。コールマンは、嬉しそうに、ヘラブナから、針を取って、バケツに入れる。Hは、ひたすら、待つ。しばらくして、コールマンは、また、ヒットする。また、ヘラブナだ。結局、コールマンは、5匹ヘラブナをゲットして、Hは、ヒット無しだった。テントに帰ると、マリーが、コールマンの釣った魚をさばいて、おいしい魚料理を作った。Hは、肩身狭かった。コールマンは、上機嫌だった。コールマンは、また、行こうと言ったが、Hは、つまらなそうだった。マリーは、そんなHを励ます。コールマンは、言った。
「俺は、ふるさとジャマイカで、さんざん釣りをやったので、釣りは、うまいんだ。海釣りだったけどね。」
Hは、釣りは、趣味で、少ししか、やったことがない。コールマンの方が、飯を食べるために釣りをやっていたので、腕前には、歴然とした差があったのは、言うまでもない。コールマンは、生きるための釣りで、Hは、楽しみのための釣りだったのである。生活がかかった釣りの方が、上手いに決まっている。
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