第Ⅰ章 第3話
「はい。あ、自己紹介が遅くなりました。私はエミリア・アイリッシュです。本来ならば私の母親・エミリーが共に来る予定でしたが、母は病気で寝たきりに」
女性ーエミリアはそう答えた。
「そうですか。ですが、貴女が彼女の代わりに来て良いのですか?貴女のお母様の面倒は?」
私はそう聞いた。
「それは平気です。今、弟が母を見ていますので」
エミリアはそう答えた。
「そうでしたか・・・。では、本題に入りましょうか。貴女は私にどの様な要件でここまでお越しに?」
私は優しい口調でそう聞いた。
「あの・・・ブーゲンビリア伯爵様は宝石商を成されているとお聞きしました。実は、ある宝石をある男から奪い返して欲しいのです」
エミリアはそう言った。
「その口ぶりからして、私の正体を存じて話していますか?もし、そうでないのなら・・・」
すると「知って居ます。カミュ様から聞きました」
エミリアはそう答えた。
「成程。では、詳しい話をお聞かせ願えますか?」
私はエミリアにそう聞いた。
「は・・・はい。実は数日前に母がある宝石商に大事な石をリメイクに出したのですが・・・その宝石商、依頼を受けてから何の連絡も寄越さないのです」
エミリアはそう言った。
「その宝石商の名前は覚えていますか?」
私はそう聞いた。
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