女子プロレスのチャンピオンと挑戦者との試合の一場面を描いた作品です。試合のなかで現王者が自らの過去から現在を述懐します。やがて試合は終わりを告げられ、物語も終わりを迎えるのです。本作は一試合の中の僅かな間の選手の心の裡を描き出します。読む者は、主人公の人生と彼女の受け継ぎ受け渡そうとしている〝思いの継承〟に胸を熱くすることでしょう。熱き情動の物語です。御一読をお勧めします。