イケメン女子のヤンデレ幼なじみに死ぬほど愛されてて辛い　

主人公の名前：永司

幼なじみの名前：未来

生贄：剣先輩

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トントン……ガチャ！

「永司、まだ起きてるか？」

「ごめんな、こんな時間に。今日のこと謝っておこうと思って」

「どうしても外せない用事があったっから、お前に美味しいご飯を作ってあげられなかった……本当は美味しい晩ご飯を作ってやろうと思ったんだけどな」

「いいや、気にするさ。だって永司はいつも私のごはん楽しみにしてくれてるもんな」

「作り置きしようかとも考えたんだけど、やっぱりお前には作りたての料理を食べてもらいたかったんだ。だから今回は諦めてくれ」

「ふ、でも安心しろよ。明日からはちゃんと作ってやるからさ」

「ああもう、別にお前のことを嫌いになったとかそういうわけじゃないんだから、そんな心配そうな表情すんなよ……」

「え？なんでこんな時間に私が家にいるのかだって？」

「…………」

「あ、そうだ！話は変わるがお昼のお弁当どうだった？いつもと味付けを変えてみたんだけど……」

「そっか…よかった。口に合わなかったらどうしようっと思ってたんだが、これでひと安心」

「―――おいおい、そんなの気にしなくていいって。家族みたいなもんなんだから…な？」

「は？そんなことないって……毎日お弁当作ってんだから家族みたいなもんだろ？」

「チッ……わかればいいんだよ。もうさっきみたいな寝ぼけたこと言うなよ？」

「ところで永司。さっき洗濯物を漁った時に見つけたんだけど、このハンカチ…お前のじゃないよね？」

「誰の？」

「分かった……剣先輩のハンカチだろ。前みたことあるからわかる。それで……なんで永司がこんなのを持ってるの？」

「……は？」

「お前怪我したの？そのときに借りたって―――怪我は大丈夫なのか？ていうか誰にやられた？早く教えろ！」

「うん。うん。うん。うん。なるほど少し転んで怪我しただけか。大したことなくてよかった。もし誰かにやられたとかだったらお話しないとだからさ」

（あのハンカチに付いてた血。永司のだったんだ。ちょっともったいないことしたな。こんなことなら血の付いた部分だけ切り取ってから片づければよかった）

「あ？何でもねぇよ。ただのひとりごとだ」

「そんなことより、お前最近帰りが遅いよな。学校でなにしてんだよ―――図書室で勉強？あー、あのおとなしそうなクラスメートだろ？知ってる。クラスでも席が隣でよくデレデレしてたもんな？」

「デレデレしてない？は！私には見せない幸せそうな顔晒しておいてよく言うよ。でもあの人っておとなしいっていうより暗いよね。あんな人と話してたらお前まで暗い性格になっちゃうよ？それに、お前はただただ私のことだけを見ればいいんだよ……」

「おい、逃げようとするな！ちゃんと私の目を見て話せ！」

「はぁ、永司………昔は私の話ちゃんと聞いてくれてたのに………最近はあまり聞いてくれないよな………それに私とも遊んでくれなくなったし………下校するときも別の野郎と一緒に帰ってるし………」

「あんな奴ら！！！！どうせ永司のことに何もわかってないんだ！！！！」

ガシャーン

「永司のことを世界で一番わかってるのは私だ！！！！他の誰でもない私だ！！！！」

「朝は何時に目覚めて、最初に口にする食べ物はなんなのか！いつもどの電車の何号車に乗るのか、何時に部屋の灯りを消して眠るのか！そして、甘いものが好きで辛いものが苦手なことも！ゲームが好きでよく夜更かしすることも！……全部全部全部！誰よりも知っているのは、他の誰でもないこの私なんだ！」

「はぁ……はぁ……はぁ……」

「………ご、ごめん。怒鳴って。永司がそういうところで鈍いのは昔からだもんな。わかってるよ。今更怒っても仕方ないよな」

「それはそうと今日の晩ごはんどうしたの？家にいなかったみたいだけど」

「なんでわかるのかって？さぁな……GPSでも埋め込まれてるのかもな？なーんて……」

「で？一人でご飯食べたのか？……フーン一人で食べに行ったんだ」

「……噓」

「やっぱりあの女（うじ虫）の匂いがする」

ガタンッ

「永司の嘘つき！！！！お前さ、ひどいよ。なんで私に嘘ついちゃうの？悲しいじゃん。私だってあいつとの約束を守る為に必死に欲望を抑えてるのに！」

グイ！

「次噓ついたら……わかるよな？」

「なるほど……そっかぁ……やっぱり剣先輩（泥棒猫）のところに行ってたんだ。へぇぇぇ～お弁当の感想聞きたいからって手料理を食べさせてもらったの？それはよかったなぁ！！！！」

バリリン

「永司は優しくてかっこよくて、でもちょっと雰囲気に流れやすいところはわかってた。でもきっといつかは私の気持ちを絶対わかってくれるって思ってたからずっと監禁せずに我慢してたんだぞ！」

「―――それなのに私に隠れて浮気ってどういうことだよ！？信じらんねぇ！！！！やっぱり私以外の女と関わるのがいけないんだ！みんなお前にすり寄ってくるけど、結局は赤の他人じゃない！」

「お前も赤の他人じゃんって……私は赤の他人じゃない！お前の幼なじみだ！」

「それにさっき言ったよな！もう寝ぼけたこと言うなよって！そんなに寝言を言いたきゃ！そこのベットで嫌と言うほど言わせてやるよ！」

　ドン！ギシギシ！

「フー♡！フー♡！いい景色だ♡！この景色は私だけの物……あんなうじ虫共に永司は渡さない！渡すもんか！たとえ幽霊になって出てきてもまた始末すればいいんだ！」

　ぬぎ……ふぁさぁ……

「は？どういう意味ってそのままの意味に決まってるだろ？すり寄ってくる意地汚い女どもは、もうお前には指一本触れられないよ？」

「うん、そうだよ。今日晩ごはんを作れなかったのは邪魔な女を片づけてきたから。だって…あんなやつはいらないだろ？永司のそばにあんなのがいたらお前に悪影響だもんな？」

「お前を守れるのは私だけ。お前は私だけ見てればいい。それが最高の幸せなんだからさ」

「おい、早くお前も服を脱げよ！それとも私に脱がされるのが趣味だったか♡……チ……抵抗んすんじゃねーよ」

ガッシャバリリリンッ

「あーあ、せっかくの服が台無しだ……お前が無駄な抵抗するからだぞ？ でもそっか。あいつの料理食べて毒されてるから私のことを拒絶するようになったんだ。だったらそれを早く取り除かないとなぁ」

「あ…でも料理を食べたってことは口の中もあいつに毒されてるんだよな。食道も胃の中も。内臓がどんどんあいつに毒されていくんだ。じゃあ…私が綺麗にしてあげなくちゃ」

「ふふふふふふ。ちょっと痛いかもしてないけど我慢してね♡」

「……え？剣先輩の料理がめちゃくちゃ不味くて食べたけど家で吐いた？まぁ言われてみればあの人の料理って終わってるけど……」

　ぐ～～～

「晩御飯を食べ損ねてお腹が空いてるからもう何も考えずに寝たいし、頭も全然回らないから明日また同じ話を聞かせてほしい？」

「………ったくっしょ～がねぇな～。よし、今から私が晩御飯作ってやるから一緒に食べるぞ」

　ヒョイッ........

「まったく、永司は私がいないとほんっっっとだめだめだな♡。家まで持ち運んでやるからそれまで寝てていいぞ？」

「あ、お義母さん！今から永司を借りていきますね。明日まで帰らないと思いますけど、ご心配なく。……え？さっき何かすごい音がした？なんで半裸の恰好なのか？……ああ、すみません。ちょっとした痴話げんかです。もう仲直りしたので大丈夫です！……いや、まぁ、仲直りの行為をするのはこれからですが♡おいおい、暴れんなよ♡……じゃ、行ってきます！あ、上着借りていきますね！」

　ガチャ！

　未来の家に連れていかれた永司は、たくさんご飯を食べたはずなのに、ひどくげっそりしていたという。

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