第41話 須藤 せなの誕生日(前編)
「あ!光くんおはよー!」
「おはよう。えっと、綾城さん?」
「千夏でいいよ!」
「じゃあ千夏、どうかしたの?」
「そう、頼みたいことが合ってね〜。」
「ん?頼みたいこと、、、?」
「そう、実はね、あさってはせなの誕生日なんだよ〜。」
「そうなの?」
「うん。だからみんなで祝ってほしいなと思って。」
「僕はいいけど、、?」
「よかったぁ。他の2人は?」
「んー。あ、みやびは確か部活があるって言ってたから来れないかもね。」
「そっかぁ。じゃあ美久ちゃんは?」
「美久は確か、家族で買い物に行くとかなんとか言ってた気がする。」
「そうなんだ、、。じゃあ2人で祝おっか。(よしっ!)」
「ん?なんかいった?」
「いや、別に!?じゃ、じゃあとりあえず放課後ね!」
「了解」
(危なかったぁ。でも、これで、私が当日途中で離脱すれば2人きりにできる!せな!
絶対に2人をくっつけてみせる!)
私はその時までそう考えていたのだが、見誤っていることに気づいていなかったのだった。
▼2日後、、、。▽
「よしじゃあはいるよ。」
「うん。あ、一つ言い忘れてたんだけど、みやびが途中参加したいってさ。」
「え、、、。」
「あれ?なんかだめだった?」
「い!いやぁ!全然いいよ!」
(どうしよどうしよ、、これじゃ、ふたりきりにできないじゃん!)
「じゃあまずは飾り付けだね。」
「あ、うん。」
「どこから始める?」
「えっとまずは上からだね。」
「了解。」
「静かにね?」
「うん。」
「よいしょ。」
「私もこっちやろっと。」
千夏は高めの台に登り、『happy birthday!』と書かれた紙をつけていた。
すると、
ガタッ。
「う、うわぁ!」
千夏の台は何かの拍子に傾き、倒れ始めた。
「あぶない!」
「キャッ!」
ガシャーーーン。
「大丈夫?」
「う、うん。ありがと、」
「なにしてんの、、、?」
音に気がつき降りてきた、せなが見たものは、
「なんでお姫様抱っこ、、、?」
「あ、えっとこれは、、、。」
「ち、違うの私が落ちそうになったところを助けてくれたの!」
「そうなんだ、わかった。で、なんでいるの?」
「あ、えっと。」
「「は、ハッピーバースデ〜、、、。」」
「最悪だわほんと」
閑話休題。
「なるほどね、じゃあお母さんも知ってたってわけだ。」
「えぇ、サプライズだからね、でも、怪我がなくてよかったわ。」
「本当に、ありがとね光くん。」
「ん?あ、いやいや全然大丈夫だよ。それより、ごめん。須藤さん、」
「ほんとよ。こんなに寝覚めの悪い朝は初めてだわ。」
「ごめん、、、。」
「まぁ、でも、嬉しかったよ。」
「っ!せなぁ〜〜〜!」
ピンポーン。
「誰か来たわね。」
「はーい。」
『みやびで〜す!』
「あ来た来た。」
『美久もいますよ〜!』
「美久!?なんで?」
「お邪魔しまーす。来ちゃだめでした?」
「いや、今日は無理だって。」
「あのですね、買い物はいつだって行けるんですよ。でも、誕生日は1年にたったの1度だけ。なんで行かないという選択ができるんでしょうか?」
「カッケェ!」
「廻!?」
「おっす!なんか途中で見かけたからついてきたぜ!」
「えっと、どちら様、、?」
「あぁ、あいつは九条 廻。同じクラスのやつだ。」
「九条、、?九条ってまさかあの!?」
「ん?廻がどうしたのか?」
「あ、い、いやなんでも、」
「さぁ、そんなことはいいからパーティーの準備だ!」
「「「おーー!」」」
「なんで後から来たやつが仕切るんだ?」
「別に誰が仕切ってもいいだろ〜。ほら!口じゃなくて手を動かす!」
「はいはい。」
▼▽
「かんせーい!」
「「「おーーーー!」」」
「頑張ったなぁ!」
「お前途中からなんもしてなかったろ。」
「なんの話だ?」
「せな連れてくるね〜。」
「おう!」
「ていうか、みやび、今日は部活があったんじゃ?」
「なんかね、中止になった。」
「え?なんで?」
「なんかね、急に学校を一日貸切にされたんだってさ。まぁ、別にいいんだけどね?」
「学校を貸切って、大金持ちじゃないのか?」
「ていうか、なんでうちの学校なんかを貸切にしたんだろうな。」
「さぁ。」
「せな、まだ見ちゃダメだよ〜。」
「う、うん。」
千夏はせなに手で目を隠してもらいながら連れてきた。
「よし、目を開けて!」
「うん。」
「「「「「ハッピーバースデー!」」」」」
「「「「須藤さん!」」」」
「せな!」
「綺麗、、、。」
「せ、せな?ご、ごめん!もっといいスタートだったらよかったのに!!ごめん!だから泣かないで!」
「えっ。」
せなは手で自分の目の下を触った。
「あっ。ち、違うのこれは悲しくて泣いてるんじゃなくて!その、嬉しくって。」
「嬉しい?」
「うん。こんなに色んな人から祝ってもらったのは、、初めてだから、、、。」
「よかった。じゃあ、これからもよろしくね!せな!」
「うん!」
ぱちぱちぱちぱちぱち。
「さて、まだ終わってないよ?」
「せな。これ、お母さんからの誕プレよ。」
「これって、私が欲しかった、AirPods!いいの?高かったのに、、」
「これで、勉強がんっばってね!」
「うん!頑張る!」
「どんどんきましょう!」
「僕からはこれ。」
「これは。」
「好みとかそういうのがよくわからなかったから、シャーペンなら、結構使えると思って。」
「うん。ありがとう!」
「私からはこれよ!」
「これは、ハンドクリーム、、、?」
「違うわ!それは、日焼け止めよ!結構いいやつよ!これから暑くなるからね!美容対策はしっかりね!」
「俺は途中で見つけただけだから、何も用意できてないから代わりに言葉を送ろう!」
「言葉?」
「そう!俺の原点とも言える言葉だ!」
「なるほど。どうぞ」
「それは『やればできる!』だ!」
「なんか、勇気が湧いてきた気がする!ありがとう!」
「おうよ!頑張れよ!」
「私からはこれです。」
「これは、ぬいぐるみ、、?」
「ただのぬいぐるみではないですよ!これは、最近話題の勉強運爆上がり招きつねです!」
「招きつね、、?」
「そうです!これで頑張って勉強しましょう!」
「う、うん。ありがとう。」
「じゃあ、最後は私から。」
「っ!これって、、、。」
「覚えてる?私たちが最初に出会った時のこと、、、。」
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