第4話 試練の時、村長の条件
レオは村の図書館で魔法を次々と登録し、力を高めていったが、次に向かうべき場所があった。それは、《エルファリア》への道を開くために、もっと多くの魔法と力を手に入れることだった。しかし、村長にはその意志を伝えられないままだった。
村長はレオの幼馴染であり、村の唯一の支配者であった。幼少期からのしきたりに従い、村外への出発は許可されていなかった。だが、レオはどうしてもその束縛を破りたかった。彼の中で燃え上がる魔法への欲求が、彼を進ませる。
「村長、俺はこの村を出て、魔法を探す旅に出るつもりだ。」
レオはその決意を村長に告げた。村長は少し驚いた表情を見せたが、すぐに顔をしかめ、腕を組んでレオに言った。
「レオ、お前がそれほどまでに魔法を求める理由は分かるが、この村には外の世界と繋がる道がない。誰かに助けを求めるわけでもなく、出発するのは無謀だ。」
レオは一歩前に進み、強い眼差しで村長を見つめた。
「でも、俺は絶対に行かなくちゃいけないんだ!」
村長は静かにため息をつき、そしてレオをじっと見つめた。
「分かった、レオ。だが、そう簡単に外に出すわけにはいかない。」
レオは眉をひそめ、何か違和感を感じた。
「もしも俺に勝てるなら、許してやろう。」
村長は冷静に言った。
「え?」
「もしお前が俺に勝つことができれば、出発を許可する。だが、負けたら……」
村長は少し言葉を切ると、低い声で続けた。
「お前はここで、俺と共に村を守れ。」
レオの心は激しく動揺した。村長はただの支配者ではなく、その強さと知恵で村を守ってきた男であり、彼に勝つのは並大抵のことではない。だが、レオには夢があった。
「勝つしかない……!」
レオは心の中で誓った。試練の意味を深く理解しながらも、村長の挑戦を受け入れることを決意した。
「分かった。俺、村長に勝ってみせる!」
村長は静かに微笑み、そして歩き始めた。
「いいだろう。その覚悟、見せてもらおうか。」
レオは、これからの試練に向けて、心の中で新たな力を感じながら、準備を整えていった。
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